編集は何をしているのですか
日本独立作家同盟のイベント、『小浜徹也×今岡清「編集は何をしているのですか」』に行ってきました。
僕は同盟の電書制作流通部会の人なので、半分お手伝いなのですが。興味ある題材で、お手伝いしながら無料で聞けるわけで、正会員はお得です(宣伝)
さて、興味あるとはどの点かというと、先日書きました「日本独立せざるをえない作家同盟」的な部分です。
同盟主催の出版イベント・ノベルジャムは、出版の最小ユニットを著者、編集、デザイナーの三名と定義しましたが、それは商業出版の方から最小まで削った形。独立せざるをえないのは、商業出版のルートに乗れない、もしくはルートから外れたからで、本人は自分の作品の潜在能力を信じていたとしても、ぱっと見、他者からは金にならないと評価されたということです。その場合、作者本人には書く動機がありますが、他の人にはその作品であるべき動機がない。つまり、最小ユニットの三人でさえ、「せざるをえない同盟」的にはぜいたくなのです。
全工程自分でやるしかないのだから、他の工程の専門家が何を考えているのか、とても興味のあるところ。
第一部はお二人の過去の体験談。最初に本日の進行が紹介されていて、第一部は過去、第二部は現在、第三部未来という構成。実はそれを聞いた時、僕は第一部より、第二部、第三部に気持ちが引かれていたのですが。
第一部の中で、自分の課題につながるような、とても興味深いお話を伺うことができました。一つ目が、ワープロの登場で作品の書き方が変わった、というお話。
文章の推敲がとても楽ちんになったということなのですが、逆に言えば、原稿用紙に手書きの昔は、最初からいい文になっている人でないと、書けなかった。昔の人にはそういう力があったというお話に、最近ちょうど、それを自分の課題と見定めたところだった僕は、大きく頷いたのです。やっぱ、いるよね、それ。
二つ目は、昔の雑誌連載には、次回への強い引きがあったというお話。そういうのはいつしか減って、雑誌連載は出版に向けて原稿を溜める機能になってしまった。
漫画畑から来た僕には、連載の引きを作ることは普通のことなので、漫画的であることは悪くないのかもしれないと思いました。これも、漫画的であることをもっと生かさないとと考えていたところだったので、力づけられるお話でした。
第二部も盛り上がり、盛り上がりすぎて時間延長、それでも第三部カットという中身の濃さ。とても面白いイベントでした。
しかも、小浜さんも参加なされた二次会で、第三部的な話題が展開したのです。こちらもとても濃い、充実した時間でした。行ってよかった。
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