ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3 (大森藤ノ・著)を読みました!
リリというサポーターを得、二人パーティーを組むようになって、ベルは冒険者として順調に成長中。そんなベルを陰から気づかれぬよう見つめているのは、美の女神フレイヤ。ベルの魂の輝きに魅せられた彼女は、自分のファミリアの子ではないのにベルにご執心だった。
彼の成長を助けるため魔道書を用意したりしていたその甲斐あって、強くなったベルに喜ぶフレイヤは、さらに彼の魂の輝きを増すために、新たな策を練る。一方、強くなりたいと願うベル本人は、憧れの人『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインに稽古をつけてもらえることになって……。
このお話を読み始めたのは最近で、もう評判になってからなわけですけれども。
第1巻を読み始めてすぐに、なるほど納得と思ったのです。みんなが好きな要素が、しっかり詰め込まれている。
「売れる」ということは、逆側から見れば、読者が読みたいものがたくさん入っているということです。そういう点で、売れて当然の設計がなされてるなと思ったのでした。
そして、さらに2巻3巻と読み進めて思うのは、その「読みたいもの」について。
いろんな読者がいるのだから、「読みたいもの」がたった一つということはなく、いろんな種類があるのですが。この作品の山場が、まさにそれだなあと思うのです。
2巻のリリを助けるところ。3巻の自分の弱さを乗り越えるところ。特にエピソードの書き方が素晴らしい。
そこに込められてるキャラクターの強い思い。それを読者に伝えるための筆の運び方。めっちゃ盛り上がるように書かれています。
ある意味、要素だけなら分析的に考えることができるので、それを取りそろえるのは計算づくでできて、そういうふうにして作られた作品も多く見受けられますが。
そこで出来栄えを分けるのは、詰められたその要素、特に感情の部分をどれだけしっかりと書き切れるか。
漫画にしろ小説にしろ、山場でダメ押しの、とどめの一撃を放てるようでなければ、読者の心は貫けない。
前巻の感想でも書きましたが、アニメ全話配信を見ちゃったので、オチは知っているのです。でもやっぱり、3発目のファイアボルト、めっちゃ燃える。
そういうところがすごく勉強になるなあと思いながら読んでいます。
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