プリント・オン・デマンド
こんな記事を見かけました。
インプレスR&D「著者向けPOD出版サービス」の累計販売数が3万冊を突破
2018年10月5日 鷹野凌 国内ニュース
株式会社インプレスR&Dは10月1日、Amazon PODを活用した個人向け出版販売支援サービス「著者向けPOD出版サービス」の、累計販売数が3万冊を突破したことを発表した。9月末時点で登録ユーザー数は1000名超、出版点数は679点、100冊以上の販売実績がある本は48点、1000冊以上が7点あるとのこと。
インプレスR&Dの「著者向けPOD出版サービス」は、Amazon.co.jpのPODサービスを活用した個人・団体向けの出版販売支援サービス。仕様に沿ったPDFファイルを入稿すれば、Amazonを通じてだれでも無料で紙の本を出版できる。注文に応じて印刷・製本・発送されるため、基本的には在庫を持たない。本が売れたら、販売価格から販売手数料や印刷費を差し引いた額が著者に支払われる。
なお既報だが、インプレスR&Dは今年も賞金総額200万円の「ネクパブPODアワード2019」を開催する。2019年1月31日時点で「著者向けPOD出版サービス」を利用してAmazon POD出版をした個人の本が対象。
HON.jp News Blog
さて、これを多いと見るか少ないとみるかですが。
本を出すハードルとして、おおざっぱですけど、小説の新人賞と比較してみましょう。
小さめの賞で応募100作品ぐらいで本になるのは1冊か2冊。ちなみに僕が受賞して小説家デビューしたジュニア冒険小説大賞がこのぐらいです。
対してこちらは679点で、初版相当の1000冊超えが7冊ですから、ハードルの高さ的にはだいたい同じくらいでしょうか。KADOKAWAの電撃小説大賞なんて応募5000近くありますから、むしろPODの方が確率高いぐらいです。
実際にはそんな単純な話ではなく、売れる本に負けない品質、負けない宣伝力が必要なのですが。まあこれはどっちにしろがんばるしかない。
プリント・オン・デマンド印刷といえば、コンパクトなデジタル印刷製本機エスプレッソ・ブックマシンが書店の店頭に置かれて、注文したその場で本を印刷、という話題が出たのが日本では2010年。
「店頭で印刷」自体は普及しませんでしたけれど、印刷機を出版社が自前で持って小部数の増刷に対応という事例が出てきていて、デジタル印刷機で少ない部数から、というコンセプトはそういうところに応用されていったのかなあと思います。
派手な話題ではなくなったけれど、出版を密かに変えている。
電子書籍で出版が個人でできるものになり、紙の本で流通させることも、プリント・オン・デマンドで簡単になっていく。電子書籍と紙の本の住み分けとか、ここにはいろんな重要テーマがあって、大注目です。
ちなみに拙著『太陽のホットライン』も、プリント・オン・デマンドで紙本購入可能てすよ! 紙本買うと電子書籍もついてくるお得仕様です!(ついでに宣伝)
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