COMICリュウ8月号 紙からの卒業と新たな命題
いつもと違い出かける仕事のない木曜日、メロンパン食べながら漫画読む。COMICリュウ8月号感想です。スレッドでつなぎますー。
表紙&巻頭カラー『モンスター娘のいる日常』。無脊椎系女子は、もうエロくないのではないか……と思ったけど、この世界は奥深いのだろうか。
『放課後!ダンジョン高校』。紙雑誌最後の回で、図書室廃止、資料電子化、VRという、現実と重なる展開。「ブルーライトに目をやられてしまえ」は、老眼には厳しいので、同意です。
『ごほうびはまほうのことば』。描かれていることの外に物語を構築する、うまい展開。
『外で飲む缶コーヒーはカッコイイ。』「なんで漫画家目指してるんですか?別に漫画家目指さなくても趣味で同人でも描けばいいじゃないですか」いたいいたいいたい
ただ、この「漫画家目指さなくても同人」が、下手すると逆転するかもしれないという事態が今起きている流れ。こんな嫌な思いして内容もいじられ印税率は何分の一かに、それでたいして売れないなら同人でも、という選択肢が出てくる。
紙の出版ルートに乗れば全国津々浦々の書店に届くというのが、作家が嫌なことに耐える動機だった。ネットの津々浦々に届ける力があるのかが、これからは問われる。COMICリュウWebはいかに。
この流れで『アルボスアニマ』に触れましょう。橋本先生はWebサイト移行ではなく、自費出版を選択。元々同人誌で名を馳せてピックアップされた方なので、こういう二択がありになる。
この流れの中で書き手はどう生き延びていけばいいのか。今の僕の命題。
さて戻りまして『あせびと空世界の冒険者』。このあせびさんは果たして。
『クミカのミカク』。言ったああああ!!!!
『ヒトミ先生の保健室』。熟練のじらしと勘違い誘導で、いいところにオチる。うまい。
『書道教室』。この漫画Webに向かないのではと思わせる、書き文字の小ささ。白黒600dpiだとしてB4で8736×6168。Webコミックの画像、ここまで大きくないよなあ。潰れちゃいそうだけど、でもそのちまちま感が好きだったりするので、どうなるだろう。
というCOMICリュウ8月号感想でしたー。冒頭の更新日を確認。次から感想どうしようかな。18/6/21
COMICリュウはこの号をもって紙雑誌休刊Web移行。
先月号でそれについてブログに書いて以降、次々と他の雑誌の休刊のニュースを見かけました。『別冊花とゆめ』『月刊バーズ』『月刊YOU』『ヤングアニマル嵐』。これを一週間の間に。
さらに講談社の『ITAN』が休刊して、連載作はwebサイトのコミックDAYSに、というニュースもありました。
さすがにこれだけ続くと、もうたまたまじゃないんだろうなあと思って、ツイッターでも書いたのですが。
一つ考えられるのは、昨年あたりから、漫画の電子シフトが進んだデータが出てること。紙の単行本ががくっと売り上げを落としました。代わりに電子書籍が伸びたのですが、電子書籍は新刊2割既刊8割と言われています。すると、新刊の売り上げが苦戦している?
漫画雑誌は赤字が普通で、単行本でそれを補うビジネスモデルと聞きます。環境が一段悪化して、底が抜けたのではないか。
紙をやめて、電子雑誌に移行すれば、印刷代はコストカットできるのですが。
ただ、ネット上ではリアル書店の一覧性の良さがなく、売れる売れないの格差がひどくなる傾向があります。その分をなんとかしなくてはいけない。今度は情報の拡散力が問われる展開になると予想されます。
ところが従来の出版社は総じてその力が弱い。
このあいだの日本独立作家同盟主催のトークイベント「商人としての編集者――33万部『うつヌケ』担当編集者が考えてきたこと」で登壇された菊地悟さんは、はっきりと出版社は書店へのルート営業しかしていないと言っていました。ご本人はそこで勉強してPRの資格などを取ったそうですが、リアル書店の一覧性の良さ、情報拠点としての優秀さが、その部署の必要を感じさせていなかったのです。
ですが紙の本の流通網はどんどん弱っていき、ネットシフトはさらに進むと思われます。
書店に本を届けることができれば、全国津々浦々に広まりそれでよかった時代から、ネット上で全国津々浦々まで情報を広め、読者へ届けなければいけない時代へ。
出版社はそれに対応できるのか。
そして作家自身もそれに対応できるのか。
考えていかなければいけない命題なのです。
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