ガニメデの優しい巨人
ガニメデの優しい巨人 (J・P・ホーガン・著)を読みました!
木星の衛星ガニメデで発見された、太陽系の先代文明の宇宙船。今は亡き第五惑星ミネルヴァに住んでいた地球人の祖先ルナリアンの他に、さらに全く別の異星人ガニメアンがいたことが分かった。彼らは古代の地球を訪問し、動植物を連れ去ったと思われる。
彼らの謎を解こうと調査を続けるうち、使い道のわからない機械を動かす実験を行う。電力を食うわりに何の反応もないと思われたその時、深宇宙からの帰還者が、実は機械から放たれていた信号に呼応してガニメデに向かっていた。
前作の感想でも書いたのですが、この作品はSF的な理屈で進めるお話。議論の部分がすごく多くて、イベントは少ない。
宇宙人が来て、地球人に歓待される。おしまい。
トラブルは全然なく、宇宙人はいい人たちで、出来事をもとにプロット書くとほんとにそれだけです。これであの長さの小説になってるのって、すごいことだと思います。
謎に興味を持たせて、それが明らかになっていく過程で刺激を与える。あとはSF的なギミックに対する興味。
それは確かにSFの面白さの中核なのですが、ほとんどそれだけで引っ張ってる。本当に筆力がないと、こんなことはできない。
実際楽しく読めていて、さて感想書くぞとなって内容思い出した時に、「あれ? これだけ?」となって驚いているところなのです。ほんとすごい。
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