天鏡のアルデラミン
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (宇野朴人・著)を読みました!
イクタ・ソロークは変人、好色、怠け者として有名。そんな彼が厳しいことで有名な高等士官試験を目指すのは、腐れ縁の優等生、旧軍閥名家出身のヤトリシノ・イグゼムに取り引きを持ち掛けられたからだった。彼女は多くの同級生にさげすまれているイクタの真の能力を見抜いており、試験で彼女の有利になるよう立ち回ることを依頼。代わりに一般人では就職できない、貴族天下り用のポストを与えると約束していた。
一次の筆記試験は余裕でパスして、ライバルたちとともに二次試験の会場へと向かうイクタ。しかし道中、海が荒れ、船は沈没してしまう。漂着したのは敵国キオカ共和国。沈む船から助けたのはお忍びで乗船していた帝国第三皇女シャミーユ。明らかに帰国困難な状況に、イクタの発案は……。
最近の僕の考えるテーマに、「いかに読者に手に取ってもらうのか」というのがありまして。
当然読者としての僕にも、手に取るきっかけがあるのです。一番身近な観察例。
まず、この作品はアニメになっていました。ちらりと見て面白そうだと思ったのですが、次回の録画に失敗。そこで極度のめんどくさがりな僕は、他の手段を講じることなく放置。接触一回目、釣れず。
次に、ネットで人が薦めているのを見かけました。その人の意見を僕が信用しているので、ここで大きく加点。情報の信用度というのは、最近の環境では重要ポイントですね。接触二回目、好感触。
そして最後が、どうも科学が入っているらしいと知ったことです。僕は科学の子として育っているので、科学はフックになるのです。ファンタジーにどう絡めているんだろうとなって、興味が増大。三回目にして釣られ、読んでみることに。
という感じで、人が何かに釣られるには、その人それぞれの好みがあるよね、ということなのですが。
好みでいうと、ここの他の感想で散々書いていますが、伏線張られるのにも釣られやすいんですよね。ありましたよ、でっかい釣り針が!
主人公とヒロインの関係が面白いなとか、計略、戦略で進める話って理屈多くなるから小説向きだよなとか、楽しく読んでいて、最後のシーン。
シリーズ全体にぷすっと背骨を通すような、すごい展開来た! 伏せてないから伏線とは呼べないかもしれない。でも、これがあると、物語のゴールが明示されているうえに、えっ、じゃああの人はどうなるの⁉ とか、気になる関連項目がどっさり増える。
こういう、ゴールに向けて構成されているお話は、めっちゃ気になる! ということで、続きを読まねば。
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