星を継ぐもの
星を継ぐもの (J・P・ホーガン・著)をよみました!
月面の洞窟で宇宙服を着たミイラ化した遺体が発見された。年代測定をしたところ、5万年前のものだということがわかったその遺体は、生物学的な特徴から、地球生命に連なるものと推定された。
しかし当然、5万年前に地球上にそんな高度文明があったとは考えられず、謎は深まるばかりだった。さらにガニメデにおいて、謎の大型宇宙船とまた別の宇宙人の遺体が発見され……。
僕はけっこう有名作を読まずにきているので、最近そういう本を読んでみよう週間に入っています。これもそういう経緯で手に取った作品。
一口にSFと言っても、いろいろあります。題材に科学関連のネタが入っていれば、何でもSF。なのでお話の種類としてはいろいろあるのです。
こちらはハードSFと呼ばれるジャンルで科学的なアイディア重視のお話です。科学者が主人公となって、宇宙人の正体の謎解きを進める。その議論が主に書かれていて、その科学のエッセンスがセンス・オブ・ワンダーの香りをかもし出しています。
よく考えたら議論ばっかりなんだけど、それで最後まで引っ張れるのすごい。
ガニメデまで飛んでいくけど、道中特にトラブルもないし、人間関係も、第一印象悪かった教授と仲良くなる程度だし、あまりドラマの展開はないのですが。
最後の1ページで、予想していなかったオチが来て、この物語の裏の語られなかった壮大なドラマを想像させられました。こうして作品に厚みを出す手があるんだと感心。
読み手に何らかの刺激を与えることが面白いということだと思っているのですが、そういう点でこの作品は、僕が普段あまりやらない方向での刺激の与え方。それで密度はみっちりしっかりしていて、とても面白く読めました。
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