このセルフパブリッシングがすごい2018年版
『このセルフパブリッシングがすごい2018年版』が発刊されています。投票によりランキングをつける、無料のセルフパブリッシングガイドブックです。2016年度版に続いて二冊目。
自薦可なので、らせんさんがガンズ推ししてくれてる! 宣伝ありがとうございます<(_ _)>
さて、一通り読んでみての感想は。
こういう企画は本当に貴重ですよね。ネットって、リアル書店に比べて手に取らせる力が弱いと思うんですよ。実体がそこにあると、なんとなく手に取ってみるということが起きるのですが、それがない。
僕は毎日本屋をのぞく習慣を失ったら、本当に本と出会わなくなってしまい、仕事柄これではいかんと意識して食いつくようにしているのですが。
普通の人はそんなこと意識しなくていいので、より強力にアピールしないと興味を持ってもらえません。その点この本は、とても熱のこもったインタビューや推しパブ記事があり、とてもいいなと思いました。
実際、一位を取った『カドルステイト物語』の守下尚暉さんが、Kindleのランキングがぐっと上がったことをツイートしていました。僕も手にしましたよ。効果出てますねー。
ちなみに読んでみようと思う理由の一つが、守下さんのこだわりがインタビューに書かれていたからなのです。
地味だとわかってるけどじっくり書いた、しかもそれがみんなが認める高品質だということになると、地味スキーな僕としては興味がわくわけですよ。そこは商業出版だと、削られやすいところなのです。実のところ、そこを一生懸命書いても評価する人は少ないので、売り上げにはマイナスだと思います。
それでも必要だと思ったから、書かねばならぬ。それは地味なところだけじゃなくて、いろんなところで作者の純粋な感性が発揮される。
そういう作品が数多く並ぶのが、セルパブのいいところだと思うんですよね。だから読む側も、自分にぴったり合った一冊と出合える可能性があるわけですよ。
あとがきでこの本をまとめた藤崎ほつまさんが、「そのうちプロも流入してくるだろうときに、セルパブの名を冠する意味があるのか」と心中を述べていましたが、プロが流入しても同じだと思うんですよ。
プロの側からセルパブに参入した方々のお話を聞いたイベントがこちら。
プロの側から参入する理由も「出したいものがあるから」なので、むしろ、そういう部分を前面に押し出して、セルパブをブランディングしていく必要があるのではないかと思っています。
なので「このセルフパブリッシングがすごい」の「すごい」の部分をですね、いろんな「すごい」があるんだぞと、ぜひ推し続けてほしいのです。
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