火星人ゴーホーム
火星人ゴーホーム (フレドリック・ブラウン・著)を読みました!
SF作家ルーク・デヴァルウは絶賛スランプ中。前払い金を払った出版社は矢継ぎ早に原稿の催促をしてくるし、なんとか作品を書き上げようと、友人から郊外の丸木小屋を借りて籠もりきりになっていた。
そんなある日の夜、誰もやってくるはずのない小屋の扉を叩く音に出てみると、そこには身長1メートルにも満たない緑色の火星人がいた。触ることができず、瞬間移動でどこへでも現れ、透視能力で何でも覗き見できる火星人は、性格が最悪。嫌がらせを生きがいにしているようだった。そんな火星人が大挙して地球に現れ、社会は大混乱となり……。
SFには哲学的なテーマ、思考遊び的な展開の作品が多くありますが、この作品はその典型。一体どうなっちゃうんだろう、これ、と思いながら読んでいると、最後は「えっ、そっちへ行くの?」というドンデン返しがやってきます。落語みたいな遊びの効いたオチでした。
途中の火星人のある種の無敵ぶりが、本当にやっかいで解決不能に見えたので、きゅーっと急旋回してオチへ向かう流れは予想外。作者の手玉に取られた感じです。
自分が思いつかないタイプの流れなので、感心しきり。SFって言っても幅広いよねえ、と考えるのはちょうどそういうお悩み時だから。
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