ノーベル賞でも出版できない
ノーベル賞作家の作品をファンがこっそり出版社に送ってみたら、全出版社で没になったというニュースを見ました。独特の文体の人で、それがネックになった模様です。
ノーベル賞作家の作品を出版社19社に送ってみたら…なんと全社ボツに😮「読者を完全に突き放している」https://t.co/i7nmPhL0yY
— AFPBB News (@afpbbcom) 2017年12月13日
有名な話では、ハリー・ポッターもいくつもの出版社が出版を見送っています。後になってそれに気づいた編集さんは、目の前を金塊が通り過ぎるのを気づかず見落としたわけで、さぞ悔しかったろうと思います。
こういう事例は「面白さ」というものの難しさを表しています。ひとつ事前に答えがある問題なら、複数人でチェックすれば、まず見逃しません。でも、面白さには「他と違うから面白い」という側面があるので、ひとつの正解が生まれたら、次はもうそれはあるのが当たり前のものになり、正解ではなくなるのです。
ところがややこしいのが、売上データを見ていると、明らかに当たり外れがあり正解があるように見える。この狭間で、作り手は右往左往し、「目利き」というあいまいなものが幅を利かせます。
さて、この目利き。ある意味、編集者にとって生命線ですが、前述のケースは世に出たレアケースで、その精度は検証されていません。ノーベル賞作家のものでも捨てられるのなら、実は相当数の埋もれた傑作があった可能性があります。
特にエージェント制のない日本では、没がダイレクトに作家にダメージを与え、続いたら作家の心が折れてしまうので、筆ごと折っている可能性が。そんな隠れたままだった天才がいたとしたら大損失。
そういうときに、セルフパブリッシングですよ。
セルパブ→出版社ピックアップの形になれば、少なくとも世にはでるので、そういうことがだいぶ防がれるのではないかと思われます。
アメリカでKDPがはやりだした時のニュースでは、出版社に断られたんで自分で出したら当たったというケースが結構ありました。作家にはいい時代になっています。
逆に編集さんにとっては、目利きが可視化される時代になるということなので、ハードル上がるのかなとも思います。
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