カクヨムweb小説コンテストの矛盾と現実
カクヨムの第3回Web小説コンテストが開催されるということで、募集要項が発表されたのですが。
そこにかなり突っ込んだ要望が載っていると話題になっていました。
それがさもありなんな矛盾に満ちていて、ちょっと興味深かったのです。
まず、「はじめに」で「本コンテストでは、既存のシーンや過去の作品で確立された世界観やお約束、物語のテンプレートといった流行に囚われることなく、新しい時代とジャンルを切り拓くような作品やクリエイターが集まることを期待しています。」とあって。
ずっと読んでいくと、その下に募集部門があるのですが。
最初の募集が異世界ファンタジー。
おや?
そして今回話題になっていたのは、その募集部門の欄の中に、協力しているレーベルの編集部から「こんな作品を求めている」という詳しい希望が書いてあるところで。
異世界ファンタジー部門最初の一行目は、要約すると「10代少年主人公のチートもの」。
ん?
何に囚われないんだっけ?
その後も既存のよくわかる流行のものと、逆にそうではない新しいものを求める要望が混じり合っていて、なかなか混沌としていました。
ちなみにこれを、悪いことだと思ってはいません。
きれいな建前と現実が違うなんてことは、大人の社会では当たり前のことです。売れるんだからしょうがないだろというところ。
実際、そういう見たことないものを書いたとして、見たことないのは需要がないからだとなったりもしますし。
新しすぎて読者が受け取れない場合もあります。機動戦士ガンダムは最後打ち切りで、人気出たのは再放送から。宇宙戦艦ヤマトも同じく打ち切り。スタートレックも当初は振るっていない。映像作品は作るの大変だから再放送される機会があるけれど、小説だと絶版したまま終わった作品あるんじゃないかな。
なので、「そうなっちゃうよねえ」(苦笑い)という感じで眺めていたのでした。
さらに、どうせここまでやるなら、どこの編集部からどの要望が出ているのか、レーベル名も明かしちゃった方がいいのではと思います。
そしたら、そこの作品を読んで、どういうことを言ってるのか、より深く理解することができるので。
既存の流れのものを言ってる場合には、そこで流行っているものを見れば、こういうところがツボなんだなと勉強になりますし。
逆に今までにないものを求めているレーベルだと、この流れに将来の行き詰まりを感じているから違うものがほしいんだなと分かります。
僕が今まで打ち合わせしてきて一番困ったパターンは、「好きなように描いてきてください」と何でもありみたいなことを言われ、好きなものを持っていったら「こういうのはウチのカラーじゃないので」と言われるパターン。
好きなものをくさされるから、ダメージ大。しかも双方時間を無駄にしています。要望があるならはっきりしておいた方がいいのです。
実際この辺りは書き手にとっても悩みどころなので、どういう辺りに落ち着くのか、注目です。
誰か知ってる人、チャレンジするのかな。
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