日本独立作家同盟総会と出版のピラミッド
先日の土曜日、日本独立作家同盟の総会に行ってきました。
NPO法人なので、年に一回総会が開催され、活動報告などが行われるのです。昨年度は月刊群雛が休刊、その代わりにNovelJamが始動する年となりました。今後も、いろいろと変化がある模様です。
その話の中で、同盟のミッションが話題になり、どこら辺をカバーするのかというピラミッドが示されました。
大雑把に言うと、下から、個人出版エンジョイ勢、ガチ勢、商業出版と積み重なっていて、一番下の裾野から、商業出版の下の方まで、という図だったのですが。
それを見ながら、ふと「ピラミッドはこの形じゃないなー」と思っていたというのが本日の話題。積み方の部分じゃなくて、ピラミッド本体の形。富士山みたいな一個の山じゃなくて、もっと、山脈みたいな、いくつも山が連なった形だと思うのです。
鷹野さんから使っていいよと言ってもらった元画像がこちらで。
それがこんな感じ。
あの場での話題は、そういう流れではなかったので、単純山型でよく、僕も話題違いだと発言しませんでしたが。
なんか単純山型だと、上の方が偉い感じになるじゃないですか。
そうすると、個人出版は二軍、三軍の意味しかなくなる。そうじゃないと思うのです。
出版に関わるもろもろが、IT技術によって個人のレベルに解放された。その結果、いろいろなものが世に出られるようになったのが、一番大きな意義だと思っているので。
あえて売れない山を登ってもいいではないかと。
商業出版は大勢の人が関わるので、当然コストがかかります。書き手は千差万別、読み手も千差万別で、たくさんの評価軸があるはずなのに、それを「どれだけ売れるか」という一本の物差しに押し込めなければいけませんでした。
そんな中、以前は同人誌として発表されていたようなニッチなものが表舞台に並ぶ。それは大きな変化です。
そして、そこまではっきりした形じゃなくても。
物語の中でどこに力を入れて表現したいのかという思いも、旧来なら「オイシイかどうか」という(つまり、関わっている人もそれほどのめり込んではいない)評価の中に埋もれていたものが、そこが好きな書き手とそこが好きな読み手の間で共有できる可能性が生まれる。
僕的にはこっちの方が大きいかもしれない。
現在は残念ながら、ネット上の導線がランキングぐらいしかないという問題があり、むしろ収束してしまっている感じですが、つなぐ方法を見いだせれば。
自分好みの物語が誰にとっても必ず存在して、それを楽しめる。
そんな豊かな世界がやってくる。
そういう世界を追いかけたいなあと思うのです。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ただより安いものはない(2019.12.05)
- アナログの勝利(2019.12.04)
- 寒波は寒い(2019.12.02)
- 今年ラスト一か月(2019.12.01)
コメント
とっても興味深く読ませていただきました。
こういうことを考えておられる方がいらっしゃると思うと、希望的観測をどうしてもしてしまいます(笑)
いや、もうしていーですよね!
投稿: 水面 光 | 2017/07/01 07:54
お読みいただきありがとうございます(^^)/
テクノロジーの進歩によって可能性は広がっているので、何とか生かしたいなあと思っています。
読み手としても、いろんな視点の物語があった方が楽しいですよね!
投稿: かわせひろし | 2017/07/01 23:31