てきすぽどーじん十号と山田佳江さんとの出会い
『てきすぽどーじん十号 政治的に正しい文学』を読みました!
『てきすぽどーじん』は、長らく続いている、紙本と同時に電子版も出る、ガンズから見たら大先輩のような雑誌です。今号で最後みたいなのは残念。
「政治的に正しい文学」とすごい副題がついていますが、政治絡みの小説が多く載っているというわけではなく、このご時世にそういう煽りを入れる心意気というニュアンスでした。
僕が面白いと思ったのは、まず、あやまり堂さんの『生駒の首刈り坊主』。タイムスリップもの。謎めいた状況がじわじわと緊迫感を増していく展開がよかったです。
ガンズ関係では、山田佳江さんの『R-D37N』が載っています。こちらもとても面白かった。はっきりとした言葉にならない心の機敏が書かれています。
これを読んで、僕は山田作品との出会いを思い出しました。
僕が山田さんの作品を初めて読んだのは月刊群雛創刊号。『ピヨ一号二号のこと』でした。こちらも心の機敏をじっくり書いた作品。
僕はネットの動静を隅々まで見て回るどころか、むしろ出不精のタイプなので、セルパブに興味があると言いながら詳細には疎い。なので、在野にこんな上手い人がいるんだとびっくりしました。
その第一印象があまりに強烈だったので。
群雛で読んだうち上手いと思った人を上げなさいとなれば山田さんは筆頭を争うのに、ガンズ創刊号の時にはお声掛けしなかったのです。文芸方面の人だというイメージ。
ちなみにガンズに載っております『アンフォールドザワールド』を読んだ時に、ちょうどはやみねかおる先生の『モナミは世界を終わらせる』を読んでいて、「こっち系だ!」とイメージを新たにして、現在に至ります。山田さん、幅広い。
さて、そんな『アンフォールドザワールド』後編掲載の『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE03』進捗については明日。
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