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2016/07/06

月刊群雛7月号 本は勝手に売れてくれない

月刊群雛2016年7月号が発売されています。

『太陽のホットライン』は第5回。一発ターンを身につけようと、光との特訓に励む太陽。そして試合の日がやってきます。太陽は結果を出すことができるのか。堂々の最終回です! 書店情報はこちらから

個人出版や、群雛のような独立系の出版が、技術の進歩によって容易になって、ほんとによかったと思います。

この作品は商業出版を目指していましたが、もろもろあって、最終段階で引っかかりました。かなりの大幅改変をしないと通らない雰囲気があって、ただそうすると、書きたかったことが薄れちゃうなと思ったのです。

昔々は、そこで大幅改変して、気がついたら同じなのはタイトルとキャラの名前だけだ、みたいなことになったりしたんですけど。(経験あり。しかもそこまで直したけど、最後絵柄の問題で没った)

じゃあそっちは別のに切り替えて、こっちは書きたいことを残して世に出そう、というふうにできるようになったのは、すばらしい。

あとは腕を高めてよりよい物を作るだけだと、まっすぐ考えられるようになったからです。これからもよろしくお願いします。

しかし、独立系の出版は、創作するだけではない問題があって、それがこちら。

先月末に出ました、月刊群雛7月号の感想。漫画でもツイッターに感想を流すようにしてるけれど、そうすると140字の制約があって、一言印象になっていく。ということで、今回は趣向を変え、ひとつだけ深掘りしてみます。会話の形でつなぎますので、よろしければどうぞー。

深掘りするのはこちら。巻頭記事の『「月くら」計画から考えるセルフパブリッシング戦略』です。倉下さんのゲストコラム。そもそも月に一冊本を出すという計画がすごい。トータル一万冊以上というのもすごい。

しかも実験として、いろんな試みがなされている。そこから得られる生きているデータ。そういうのを個々で探っていくのは大変なので、こうして知見を提供してもらえるのはとてもうれしい。ありがとうございます。

知見の共有って、同盟の趣旨的にも大切だと思います。

特に「本は勝手に売れてくれない」というフレーズが刺さりました。しかも実験に裏付けられている。告知なしだと販売0。0には何を掛けたって0。

ロングテール、ロングセールについて。初動を上回るのにどれぐらいかかるかが興味深い。言われてきたことだけど、実際ボリュームとして結構大きいんですね。

内容紹介について。届けるべき相手に届けるということは、藤井大洋さんも言っていた。絞り込むのは怖いけれど、玉虫色はいけない。

先のロングセールと合わせ、欲しい人の所に確実に届けるサイクルを作るのが大切だと思いました。内容にそったいい期待を作り、信頼関係を作り、それをこつこつ続けてだんだん大きくしていくこと。がんばろう。

という月刊群雛7月号感想でしたー。そしてまず、目の前の原稿をがんばろう。

ツイッターで深掘りすると、こっちにまとめた時に書くことない(^^;;)

なので、最近気になっていることと絡めて、話題を広げてみます。

ツイッター眺めていると、ちょくちょく作家さんの「単行本買ってくださると、連載が続きます」というお願いが、リツイートされてきたりします。僕はそこで、「個人出版で続き書けばいいじゃないか」とツイートしたのですが。

これだとそれこそ言葉足らずで、「あきらめろ」的に聞こえちゃうので、そう考えるにいたった背景を書いてみたいと思います。実はそれが、この感想の話題とつながっているのです。

そもそもですね、単行本の初動で続巻を決めるって、どんどん無理が出てくると思うんですよ。雑誌の売り上げが落ちっぱなしじゃないですか。それでもまだ大きいところはいいけれど、小さいところだと、雑誌に載った程度じゃ告知が十分じゃない、という事態が起きてるわけですよ。

たとえば5万部ぐらいは出て欲しいと思ったとき。作品の評価には、質の軸とは別ベクトルで好みの軸があるので、試しに読んだ全員に買ってもらうというのは、まず無理な話。ということは、読んだことがある人が何十万といないと、その5万部は達成できない。

でも、そのサイズの雑誌はそうそうない。web雑誌でも、載ってるだけでPV何十万というのは、なかなか難しいんじゃないか。結局今は、告知をどうするという問題が、どんどん大きくなってきているのです。

で、そこで考えるのはネットで評判になってバズれば、ということだと思うんですが。

そうすると、内容に制限がかかるんですよね。一言で、もしくは一枚の絵で伝わる、分かりやすいものじゃないと広まらない。何でネット上の記事のタイトルが、どんどんあおり気味になっていくのか、というのと同じ問題。

でもそれが内容まで及んでしまったら、多様性がなくなる。それは最後には、生態系の破壊につながる。いろんな読者がいるんだから、いろんな作品がある豊かな環境じゃないと、お客さんが減っていきより過激にするしかなくなり……という悪循環になってしまう。

これを何とかする方法は、時間を味方につけることだと思うのです。一発で広めるのが無理なら、時間をかける。じわじわでいいから広まっていく、いい循環を作る。

で、そう考えていくと、倉下さんの記事のようなロングセールの考え方に行き着きます。

僕はここではやたら個人出版に入れ込んでいるように見えますが、商業出版やめたわけじゃないんですよ。今書いているのだって、そっちのだし。

ただ、商業出版の環境がどんどん悪くなっている中、僕自身が数字を持ってないと、相手にされないんじゃないかと感じてて。

じゃあ、結局個人でも商業でも、考えなきゃいけないことは同じじゃないかという考えに行き着いているわけです。

もう実際、著者宣伝は当たり前になってますしね?

小説なんて、載せる雑誌も普通はないわけですしね?

そこで、打ち切りの話題を聞くと、そこで終わりと思わずに、それで得られた読者さんをさらにこつこつ増やしていけばいいんじゃないか、作品を殺す必要はないんじゃないかと。

コアな読者がついているので雑誌を渡り歩いているというような作品は、以前からでもいくつかありますし、作品を主体に考えていいんじゃないかなと思っています。

とにかく、いい物を書くこと、そして、それを伝えること。

商業も個人もなく、これを両輪に、その境を行ったり来たりしながら書いていけばいいんじゃないかなと考えているのです。

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