これからの作家の生きる道
群雛1月号の記事に書きました、これからはみんな独立作家にという話。
同根の話を、この間セミナーの二次会で群雛の作家さんたちと飲んでいた時、酔っ払いながら力説していました。
まあよく言ってる&よく言われている話なのですけれど。
出版不況というものの本質は、環境の変化だと思うのです。情報やコンテンツの流路としてネットの比重が高まり、相対的に書店が落ちた。そして出版側はそれに対応が遅れた。
日本の本の流通が発達していて、その分で遅れたのかなとも思うのですが、その辺は置いといて。もう現状はこういう状態。
出版物の販売額 過去最大の落ち込み
ことしの国内の出版物の販売額は、雑誌の売り上げが大きく落ち込んだ影響で、去年より840億円少ないおよそ1兆5200億円となる見通しで、これまでで最大の落ち込みとなりました。
出版業界の調査や研究を行っている東京の出版科学研究所のまとめによりますと、ことし1月から11月までに国内で出版された書籍と雑誌の売り上げは、去年の同じ時期と比べておよそ5.2%減少し、過去最大の落ち込み幅となりました。
1年間の販売額は去年より840億円少ない1兆5200億円になる見通しで、これで11年連続でマイナスとなりました。
出版物の種類別にみますと、書籍の売り上げは芥川賞を受賞したお笑い芸人、又吉直樹さんの「火花」が200万部以上の売り上げたほか、新書などは好調だったこともあり、去年から1.9%減少と小幅な落ち込みにとどまりました。一方で、雑誌は前の年から8.2%の減少と、かつてない落ち込みとなり、特に週刊誌の落ち込みが大きくなりました。
出版科学研究所によりますと、スマートフォンの普及により雑誌を読む時間がゲームなどに奪われたことが影響したとみられるということです。出版科学研究所は「今後、出版業の存続を懸けて、書籍の流通や販売の構造変化が一段と進むのではないか」としています。NHK NEWSWEB 15/12/28
昔僕が学生の頃、通学の電車の中では、新聞読んでいる人とか週刊誌読んでいる人とか大勢いましたが、今はさっぱり見かけず、みんなスマホです。かく言う僕も、電車の中ではスマホです。
とにかく、利便性を考えると、この流れの逆転はないでしょうから、作家も含め、そこにいたプレイヤーは対応していくしかありません。
リアル書店は情報発信基地でもあって、あそこに本を送っておけば、棚の間を回遊する読者の目に止まる可能性があった。残念ながらネット書店はその力が弱い。だからネット上に他にそういう場所を作るか、自ら情報を読者になるであろう人のもとへ送り届けなきゃいけない。
書店という、コンテンツが集約しお客さんがそれを求めに集まる場所が弱っているのですから、自力でお客さんを集めないといけないわけです。
自前の投稿プラットフォームを持ち始めた出版社が出てきています。あそこが一つ、勝負所だと思います。
ただ、乱立しても淘汰されるだけなので、全て生き残るということはないでしょう。
そうすると、自力で集客できる大きい所とその他出版社、という区分けができ、それに応じて、メガヒット作家とその他作家という区分けも明確になっていきます。今の区分けがプロアマだとして、そのラインが上に上がっていくという感じ。
メガヒット作家以外はプロアマ問わずインディーズ作家。これまで以上に格差のはっきりした構造になるのでしょう。自分で数字を作らなくてはいけません。数字を作った人のところに人が寄ってきて、さらに上に上がるチャンスがやってくる。
なので今までは「商業出版向けの活動とは別に、自由に書ける避難場所として個人出版を確保」というイメージだったのを、もうどちらも区別せず、まず独立作家として活動しないとなあと思うようになったのです。
年始のご挨拶にも書きましたが、とにかくどんどん書いて、どんどん出すことが重要です。がんばろう。
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