オズの魔法使い
オズの魔法使い (ライマン・フランク・ボウム・著 江國香織・訳)を読みました!
ファンタジーの歴史をたどる旅の途中です。結構、名前とあらすじは知っているけれど、ちゃんと読んではいないお話があるのです。僕、SFっ子でしたからね。
SFっ子な僕は、「ブリキのきこりって、ある意味ポンコツロボだよな」と思ってたのですが、読んだらサイボーグなのでびっくりしました。魔法で四肢を切り落とされてブリキの義手義足になり、最後すべて金属製の体になってしまったのです。これはすごいサイバーパンクな話なのではないか。
という冗談はおいといて。
とても楽しく読めました。次から次へと困難が襲い、意外な手段で解決する。ページをめくらせる力を持ったお話です。
それはこの冒頭の前文にもある、著者の考えによるものです。最初にここ読んだ時、「これ絶対面白い!」とピンと来たのです。
(前略)けれど、何世代にもわたって読み継がれてきた古い時代のおとぎ話は、子供たちの本棚のなかで、いまや"歴史的"と分類されているのかもしれません。もっと新しいワンダーテイル、お決まりの小鬼や小人、妖精なんかがでてこない、そして作者があのおそろしい道徳とやらを教えるために用意する、いやな出来事や血も凍るような出来事の織り込まれない物語がでてきてもいいころです。
現代の教育には道徳教育もちゃんと含まれています。ですから現代の子供たちは、楽しむためだけに本を読み、不愉快な要素は省いてしまってかまわないのです。
それがこの"オズの魔法使い"を書いているときに私の考えていたことです。この物語は、今日の子供たちにただ楽しんでもらうためだけに書かれました。面白さや楽しさはそのままに、胸の痛むようなことや悪夢を見そうな事柄は追放し、現代版のおとぎ話とでもいうべき物語を私はつくりたかったのです。
こう考えながら書かれた物語が、「今日の子供」だけでなく、「未来の子供」にも読まれて生き残ってきた。
アリスとゾロリに共通項を感じたり、お話の本質について考えさせられることが続いています。有意義な旅になりそうです。
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