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2015/11/14

スタートダッシュの構造改め着火の要点(今日は長文)

仕事行き帰りの電車で書いていたシリーズ。スタートダッシュの構造 1  

車中で書きっぱなしだと、話がいまいちまとまりませんね。そもそも最初に思いつきでタイトルつけてるから、話がずれてったような気がするし(^^;;)

ようやく連戦が明けて時間が取れたので、きちんとまとめてみようと思います。

まず、タイトル改題。言いたい話はスタートに限ってなかった。いかに読者に届けて火をつけるかという話でした。

さて、本題。そもそもこれについて考えたのは、出版を取り巻く環境が変わってきて、作品に求められるものも違ってきてるんじゃないかなと思ったからです。

何しろ僕がこちらの世界に足を踏み入れて、そろそろ四半世紀。そこで教わった創作技法は、気をつけないと古くなってしまいます。

現状では読者に出会う場として、雑誌、書店は減少で、ネットが増大しています。これによって何が起こるか。

例えば雑誌に漫画が連載している状態であれば、他の作品のついでになんとなく読んでもらうこともできます。一話目は読み飛ばしていて、だいぶ後になってからはまって単行本をそろえた作品が、僕の本棚には結構あります。

書店でも毎日のように通っていると、最初に見かけた時には手に取らなかったけれど、なんとなく立ち読みしたら面白そうだったのでレジへ持っていくことが多々ありました。

それに対して、ネットはクリックしてもらわないといけないのですが、動作としては小さいのに、なぜかこの心理的なハードルは一段高いような気がします。「なんとなく」だと難しい。

さらに、情報がどんどん流れていってしまうので、毎度顔を合わせるという形にもなりません。すれ違いでの一発勝負です。

もともと話作りでは、読者を引き込んでページを繰り続けさせることを考えて作ってきましたが、そこをより重視する必要があります。

また、情報の拡散がSNS等になってくると、短いフレーズや一コマの絵の方が引用しやすくなります。

最近ドラマも人気の「孤独のグルメ」は、連載時にはふるわず、後にネットで火がつきました。その時に「アームロック」の貢献は結構大きかったのではないでしょうか。グルメ漫画なのに、なぜか関節技を決めるシーンがあると話題になりました。そりゃあ気になります。

ただ、ギャグならともかく、ああいう実直な漫画に奇跡の配合みたいなことは、狙ってやるのは難しいので。

考えるべきなのは、面白そうだと感じさせる一フレーズや、絵作り。決め台詞や決めゴマがより重要になっています。

さらに、SNSのような口コミで広まることが多くなっていることを考えると、「紹介しやすい」ことも大切。

自分で一言で作品の面白どころを言い切れるかは、チェックしておくべきでしょう。

……と書いたら、不安になった。大丈夫かな。大丈夫なはず。

そしてネットコンテンツが爆発的増大を見せていることによって起きているのが、読者の時間の奪い合い。

社会情勢として、大人も子供も忙しくなっているから、ますますですよねえ。

となると、あんまりだらだらとは見てもらえないことになるので、なるべく早い段階で、面白さを感じてもらえるようにしないといけません。

テンプレート展開が有効なんじゃないのかと書いたのはこのためです。今までの他の作品が作ってきた蓄積を利用して、キャラ立てや舞台設定に必要なページをはしょれます。面白いかどうかを読者が判断する時にも、前例がある方が、期待できるものが分かりやすいです。

かつ、投稿サイトなんかだと、一度ランキングに入った作品がずっと読者を獲得し、そういうのが好きな読者がそこに残るということを繰り返すので、テンプレがどんどん強化されていく事になります。

ただ、テンプレに対する寛容さが上がっているような気がする反面、きちんとツボを押さえていないと、許してもらえないような気もするんですよね。

テンプレがテンプレであると理解できるのは、読み込んだ通な読者です。するとツボの精度の方のハードルは高いと思われます。

しかもその人達が一番期待度が高いので早く飛びついてくれて、火種になるのです。

自分もそこが好きなら、自然と分かっているから問題ないとして、ちょっとした気まぐれで別ジャンルに手を出した時などには、注意が必要です。

僕も、相対性原理とか分かってなさそうなSFだったら、いやですし。他のジャンルを書く時には気をつけないと……。

というわけで、着火の要点をまとめてみると。

引き込む力が大切。見せ場にもっと力を。リズムよく早い段階で面白さを伝える。テンプレ使うのも有効だが取り扱い注意。拡散しやすいよう、一言で伝えられるものを持っていること。

という感じでしょうか。

リズムよく早くが難点だなあ。がんばろう。

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