個人作家の海外進出
七月の日本独立作家同盟のセミナーで、大原ケイさんが、海外出版事情を解説し、海外進出するなら英訳を用意するぐらいの気構えが必要と説いていたのです。
こちらがその講演録。とても興味深いお話ですよ。
さて、そういう話が頭にあって、この間見たのがこんなニュース。
Amazon出版子会社、海外の優良フィクション作品探しを強化、英訳作業に予算12億円
【編集部記事】米GalleyCatによると、Amazon社(本社:米国ワシントン州)の出版子会社であるAmazon Publishing(本社:米国ニューヨーク州)が、海外からの優良フィクション作品輸入を強化するため、英訳作業のためだけに5年間分1,000万ドル(約12億円)を予算確保したとのこと。
今回作品輸入を強化するのは同社のフィクション専門レーベルである「Amazon Crossing」で、海外エージェント・個人作家たちから、検討に値する優良作品の情報を募集しているという。hon.jp15/10/14
その英訳をアマゾンがしますよ、という話。
講演で海外進出と聞いて、夢ふくらむ話だなあと思ったのですが、自分自身ではあんまりやる気は起きませんでした。大変そうだから。
僕にとって、売れる売れないというのは、「売れたらずっとお話書いてていいんだ、そんな暮らしがしたいなあ」という願望の話で。
そこがかなったら、その先に労力つぎ込むモチベーションはあまりありません。
で、海外で結果が出るぐらいの出来なら、その前に国内分で願望かなってるはず。
人によって違うでしょうし、僕は極端な方だという自覚もあるのですが、作家の側に海外進出の需要がそんなにあるかなあというのは、チラッと思ってたのです。
だからそこはビジネス側の需要ではないか。大原さんは英訳持ってかないと向こうの出版社は見てくれないと言ってたけど、それはアメリカ人の、自分たちが文化の上流と思ってる傲慢さが怠惰につながってるだけではないか。
そうすると、アマゾンが世界中から才能を吸い上げる仕組みを作るなら、一人勝ちする可能性があるよなと。
というわけで、この試みがどうなるのか、ちょっと気になるのでした。
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