崩壊の足音がひたひたと
「あのニュースについて触れてないけど、どう思うの?」と電話してたら聞かれたのは、先週金曜日のこと。何のニュースと聞いてみたら、業界4位の取次会社が潰れたとのこと。
びっくりしてニュースを調べたら、ちょうどその辺は忙しくてあまりニュースを追えていなかった時。すっぽり抜け落ちてしまったのです。
潰れたのは栗田出版販売。6/26に民事再生法の適用を申請。提携していた3位の大阪屋との統合を目指す模様。
やばい、児童書に力を入れてたと書いてある、大丈夫かな、と思って別のニュースも見たら、すでに連鎖倒産が出ていました。ほんとにやばい。
ただ、やばい、とは思うんだけど、意外ではなく。
お客さんの行動パターンが変わっているのだから、本が売れなくなるのは当然です。本好きの人がどんなに紙の本の質感の素晴らしさを訴えても、ほとんどの人はどうでもいい。それより利便性だと思うから。
著名ミュージシャンの「MP3なんてクソだ」というコメントを見たことあります。音にこだわるアーティストには納得がいかないしろもの。ですが、それでもダウンロードされるのです。
ということで、ここにちょこちょこ書いていますが、現在の考えをまとめると、以下のような感じ。
紙の本はどんどん売れなくなるでしょう。ただ、アナログレコードが残るぐらいだから絶滅はなく、最低でも嗜好品としては残りそうです。
情報流通の主戦場はスマホで、書き方も対応させる必要があります。作品をそこに出さなくても、少なくとも宣伝は対応しなくてはいけません。しかしそこの解はまだ見えていません。
悪いことばかりではなく、電子書籍になる場合、制作コストを抑えられるので、ニッチなところで個人で成立させられる可能性があり、多様性につながるかも。
ただ、出版社が急にそちらに舵を切るのは難しい。電子書籍の市場規模も採算性も、まだ全然足りていません。
また、電子書籍の方が見つけにくいので、大勢の人が働く出版社が採算取ろうと思ったら、ますます売れ筋制限がかかるかもしれません。
そこで。
嗜好品は残る、ニッチな物も回るかもという観点から、ここは逆張りできるようにしとかないと! と思って、出版社に出すやつ以外も書こうとしているのです。しぶとく生き残れるようになっておこう作戦。
でも、その作戦をなかなか進められていないのに、こんなニュースを読んでしまうと、宮崎駿監督が描きそうな、石橋が端から崩れていくところを走って逃げてる状況な気分になります。
映画の主人公なら逃げきれるけど、雑兵だったら「人がゴミのようだ」になってしまうので、もうどうしよう。焦りますねえ。
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