月刊群雛6月号 誰の手にも自由な出版を!
月刊群雛2015年6月号が発売されています。
今回の巻頭記事は山本ゆうこさんの「誰の手にも自由な出版を!」。山本さんは、群雛も利用しているBCCKS(ブックス)の代表取締役。
BCCKSは電子書籍を作って販売できるサイトで、オンデマンド印刷で紙本も販売できるという特徴を持っています。なので群雛も、紙の本で買うこともできるのです。
今回の記事はそのBCCKSの設立経緯や、サービスの説明、そして今後の展望が書かれていました。
いいなと思ったのは著者支援の視点がかなり強く出ていることでした。
個人出版ができて何が変わるのか。僕は、出版社の担ってきたサービスが再定義されるのだと思っています。
今まで一つのパッケージで提供されていたものが、一度解体されて、じゃあどこがそれをするのかという話になってくる。まず印刷の代わりに電子データ。書店の代わりに電子決済。この辺までは普通。
ここから先がどうなるかが、勝負の分かれ目なのではないかと思うのです。
ネット書店の場合、実店舗と違って、規模や立地のメリットがなくなります。品揃えは影響あるだろうと思うかもしれませんが、作家の側からはあまりないのです。実店舗のように駅前じゃなくてもクリック一発だし、中をふらついてぱっと目に付いた本を手に取るということを利用者がしません。店舗が出会いを提供してくれないのです。
個人作家となると、むしろ埋もれて目立たなくなります。結局自分が宣伝して、自分の張ったリンクから買ってもらうことをまず考えるわけですから、サービスの知名度はあまり関係ありません。口コミで広まって売れるようになったとして、その時も「大手サービスの本だから買おう」ということにはならないでしょう。
もうとにかく使い勝手とサービスのよさが選ぶ基準です。逆転の余地が多分にあるのです。
例えばkindleオンリーにすれば印税7割、よそも使うと下がっちゃう。でも下がる以上のメリットがあれば、そっちを使う。
その点、紙の本も作れることや、他ストア配信で、BCCKSよさそうと思っていたのですが、今後の課題として捉えている内容を見て、期待感が高まりました。がんばってください!
まあ僕の問題は、そっちに手をかける時間を取れてないということなのですけれども(いつものオチ)。
出版社の担ってきたサービスの再定義と解体という話題でいろいろ考えたのですが、話が脱線しそうだったので、こちらは後日。
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