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2015/06/26

お話の作り方

お話作るのは大変だよねと、よく漫画家の友達と話します。

妄想するのは簡単ですが、それを人に伝わる形、面白いと思ってもらえる形にするのが大変なのです。思いついた時に自分が感じたほどには、他人にはなかなかその面白さは伝わりません。いろいろ工夫が必要です。

ということで、話作りについての記事や本を探して、勉強したりするのですが。

その中でよく取り上げられる技法に、三幕構成というものがあります。日本独立作家同盟の第一回のセミナーで、藤井大洋先生も取り上げていました。

あそこに挙げられた本からじゃないけど、僕も結構前にその手法を知って、自分でもプロット組む時に使ってみました。

概要はこんな感じ。幕を三つ設定。一幕二幕の終わりには、ターニングポイントを置く。第一幕には出会いがあり、事件の発端が来る。第二幕中央にミドルポイント。その前後にピンチを作る。第三幕は主人公が立ち上がりクライマックスがあってエンディング。

ただ、いろいろ考えることがあって、今はそのやり方ではありません。これが今日のお題。

自分が使わなくなった理由。それはあの構成法が、ハリウッド映画用なのではないかと思ったから。特に一番売れている出版物のジャンルである漫画が、その考え方を採用していないからです。

後付けで分析すれば型にはめられるかもしれませんが、連載中にそれを考えている人の話は、あまり聞きません。僕も取り入れてみたのはいいのですが。

そもそもまず連載漫画だと、全何回連載と決まっていることはまれなので、幕の長さが計算立たないのです。

さらには、とりあえずすごい事が起きそうな感じで引いておいて、何をするかは次の原稿を描く時に考えるということだってあります。

これは藤子・F・不二夫先生が「ドラえもん」の中でおもしろおかしく描いていて、僕は「オシシ仮面方式」と呼んでいます。作中の人気漫画家フニャコフニャ夫先生が、考えなしに次回に引いて、頭を抱えていました。ただ、人間追い詰められるとすごい力が出たりするので、これで描かれた名シーンはたくさんあるのです。

そんな状態ですから、漫画では、三幕構成何それ、ということになります。

でも三幕構成自体は、日本でも歌舞伎や狂言などの伝統芸能で、「序破急」という言葉で古来より言われています。つまり、お話の作り方としては、普遍的。ただしそれは、ある程度の長さでオチが来る、という前提なのではないかと思ったのです。

考えるに、ターニングポイント、ミドルポイントといろいろ名前がついていますが、十数分で山が一度来ることが、重要なのではないでしょうか。

ハリウッド映画は中には大長編もありますが、お客さんの集中力の限界を考えて、90から120分ぐらいの長さで作られています。そうすると、ハリウッド式三幕構成法だと、15分ぐらいで次の見せ場が来ることになります。

テレビドラマやアニメのCMも、大体それぐらいの間隔です。つまり人の集中力が維持できる時間、という生理的条件があるんじゃないかと思うのです。

ということで僕は、考え方を変え、ネームの描き方を変えました。当然全体の流れは考えるのですが、その時に、見せ場を挟んでいって、読者の集中力を途切れさせないことを重視。

僕はここで、伏線が好きだの、下ごしらえしてある話が好きだの言っている通りなので、わりと序盤が地味になってしまいがちで、いつもそこを注意されていました。でもこの考え方にして、何ページぐらいで山を作ればいいのかを探っていくと、15ページぐらいまで間隔を縮めれば、あまりその部分は注意されないということが分かりました。以降、その方式なのです。

週刊連載の漫画なんかは、一回20ページ前後ですから、必然的に短い間隔で山が来ます。そのリズムがキモなんだ、というのが今のところの結論です。

さて、小説の場合。書き下ろしで書かれることが多いので、ある程度の長さでオチが来るという条件なのは映画と一緒です。ですから、ハリウッド式三幕構成は応用可能。小説の書き方としては使えそうです。

ただ、物語の長さには結構幅があるので、本当に三幕でいいのか考える必要がありそうな気がします。大長編であれば、二転三転させて引っぱらないと、だれてしまいます。その時、何ページに一山必要なのかというのは、研究課題です。

さらに、今僕は「君の守護者」で、漫画の連載のような書き方をしています。そうなると、幕は計算が立たないので、よりリズム重視になります。

しかも、表示されるのが主にスマホで、そのために改行の長さや行間も、普通の小説と違います。そうすると体感時間も変わってくるはずだから、また違うリズムがあるはずです。

ますます考えなければいけないことがたくさん。がんばらなくては。

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