ジャンプ19号感想 キャラクターの立て方
ジャンプ19号の感想をお送りします。
今週のお題はキャラクターの立て方。
これは小説でも言われることですが、キャラクターを立てることは、お話にとってとても重要です。印象に残るキャラクター、感情移入できるキャラクターが、読者を引きつけるのです。
そんなキャラクターの立て方がうまいなあと思った作品を二つ。
まずは「食戟のソーマ」から。四宮先輩です。
傍若無人なキャラクターとして描かれてきた四宮先輩。ところがお店のプレオープンにお母さんを招待すると、話す時には方言丸出し。いつものイメージとは全く違います。
そして、なぜ自分の専門にフランス料理を選んだのか聞いたところ。子供の時に家族で行ったフレンチレストランで、お母さんがとてもおいしそうに笑顔で食べていたので、自分がフレンチの料理人になれば、いつもお母さんを笑顔にできると考えたから。なんともかわいい小学生だったのです。またこの笑顔がいい絵が入ってるしねえ。
それでいて、その部分は回想シーンで、聞いた創真にはいつもの調子で毒づきます。そういう内面を見たのは読者だけ。意外さで印象づけて、かつ、きちんとキャラクターも守っている、とてもいいシーンだと思いました。
そして「火ノ丸相撲」では。前回出てきた冴ノ山関です。
大きな身体を小さく丸めて扉の影から稽古の様子を覗いていたり、一人一人にあいさつして回ったりと、もともとギャップのある描写でキャラクターを立てていましたが。
今週は火ノ丸を稽古で圧倒、さすが関取というところを見せた後、その几帳面さ、真面目さから、火ノ丸の「横綱になる」という言葉を軽々しく吐いたものと捕らえ、全力で潰しにきます。
ユーモラスな印象から始め、やがて怖さも見せつける。その振れ幅の大きさと、そこを生真面目さという性格でつないで見せる。最後の言葉も前回に出てきたセリフをうまく使っています。
こうしたキャラクター作りがうまい漫画は、読んでておもしろいですねー。
親方がどう出るか、気になってるんですよね。次号どうなるのかな。
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