ジャンプ18号感想 漫画の秘術
ジャンプ18号の感想をお送りします。
今年に入ってからずっと感想書いているので、取り扱う漫画がだいたい見えてきているわけですが。
僕は漫画から小説へ転身するぐらいなので、浮き沈みのある、話の展開のさせ方に惹かれる傾向があります。
というわけで今週は、まず、「食戟のソーマ」です。
仕事に追われる状態からの逆転が見事です!
お話は小説家も作る。絵はイラストレーターも描く。漫画独自なのは、その間をつなぐ部分です。コマを割って見開きを構成。
そこで時間と空間を演出するのが漫画の秘術。特に、リズムの取り方で心象時間もコントロールできるのは、漫画独特の魅力です。
この回だと、仕事に追われていた創真が、どんどんこなせるようになっていくところ。
一つ追いついたシーンを描き、「チェックお願いしゃす!」とポンポンとたたみかけ、「新しい技をモノにできるのが、おもしろくて仕方ないんすよ」と気持ちの高ぶりを描き、予想外にお客さんの食事ペースが速くてみんなが追い込まれた時に、「下処理できてます」と追い越した瞬間で、カッと心象時間を止めて見せる。
そしてそのまま仕上げろと言われ、「うす!」と返事をして一気に動きだすコマは、めくった次のページの一枚絵。
この成長を表現した7ページにわたる緩急がカタルシスを生んでいます。コマの中の止める絵、動く絵も見事です。
緩急という点では、「僕のヒーローアカデミア」も。
前回、手が震えながらも、「決勝で会おうぜ」と勇気を振り絞って見栄を切ったお茶子。
力の限りを尽くしますが、敵いません。
「それでも!!!」と気力を奮い立たせる、テンション高い盛り上がる展開。それにつられてページをめくると。
カク…と力尽きる大きなコマ。
この、引っ張っておいてページをめくった一コマ目に意外な絵を、というのは見開き構成の基本で、これが上手い漫画は読んでてぐぐっと引き込まれるのです。
作者の力量に身をゆだねて、手のひらの上で転がされるのが心地よい。そういう漫画を読むのは楽しいなあと思います。
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