ジャンプ9号感想 なぜがんばるのか
ブログ記事の新シリーズ。去年末辺りから、ジャンプが合併号で、という感想を上げていたので。
せっかく楽しく読んでいるんだから、このままちょこちょこ感想書くことにしようと思った次第なのです。
読むのは日曜夜にコンビニに出たとたん買いに行くテンションなのですが、感想はちょっとずらしてお届けしますよー。
さて今週のジャンプでは、いつも楽しみに読んでいる「火ノ丸相撲」と「食戟のソーマ」が並んでいました。
そして二つとも、ネームの妙ともいえるシーンがあって、すごくよかった。
「火ノ丸相撲」では、「なぜそんなつらい思いをしてまで、相撲を続けるのか」という問いに答えるシーン。
スポーツ好きな人にとっては、なんでやるの? と聞かれたら、好きだからに決まってるという話なんですが。
これをちゃんと漫画で描こうとすると難しい。言葉にすると簡単すぎて、説得力がないからです。
僕もスポーツ漫画を描いてた身なので、これに結構苦労して、ボツを食うことがよくありました。
そこに説得力を持たせたネームがお見事です。
特に回想に入って、お母さんの顔をずっと描かず、肝心のところでどんと正面顔を大きく描いて、「あなたはなんで相撲をやってるの? 火ノ丸」と問いかけ、隣のページでは回想を抜けて現在の時間に戻っているのに、まるでお母さんに答えるように「相撲が好きだからに決まっとるじゃろうが…!」と並べてみせた、画面構成の妙が素晴らしい。
「食戟のソーマ」でも回想シーンを使った見事な演出がありました。
先週まででみんなの料理は全部出ていて審査もすみ、さあ結果発表という段になったのですが。
料理は互角。あとはその皿がスペシャリテと呼ぶにふさわしい、料理人の顔が見えるものかどうか。
そこで急に回想シーンに入ります。ライバル葉山アキラの生い立ち。スラムに一人、孤児として育ち、そこを汐見潤(しおみ・じゅん、スパイスを研究している女性教授)に拾われたこと。そこで世話になりながら(正確には潤がどじなので世話をしながら)言葉を覚え、勉強を進めたこと。
そして圧巻が。自分のためにアキラを追い詰めているのではという潤の悩みを漏れ聞いて。アキラがスラムでの暮らし、そこから連れ出してくれた潤を思い出しながら、自分の思いを浮かべている見開き。
「違う。違うよ、潤。俺の価値を見い出してくれた。俺に生きる意味をくれた。俺を照らしてくれたのは、貴女(あなた)だ」
過去のシーンとその時のセリフの上にさらにアキラの思いを乗せて、ぐうっと感情を盛り上げていく構成。時間と空間を自由にコントロールして、渾然と一体にできるのは、漫画独自の演出法で、漫画の醍醐味だと思うんですよね。
この見開きを頂点に、勝者を見せるまでのネームの流れが、すっごいよかったです。
こういうネームのうまい漫画を読めると、幸せだなあと思うのです。感情が揺さぶられるのが心地よくて、二つとも、何度も読んじゃった。
さあ、来週も楽しみに読もう。
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