魔法科高校の劣等生3・4 九校戦編
魔法科高校の劣等生3・4 九校戦編 (佐山勤・著)を読みました!
読書欲求が炸裂していた僕は、寝る時間を惜しみ一巻から一気にここまで読んだのです。
3・4巻も上下巻だけど、さらにたっぷり分厚くて、読み応え十分でした!
1・2巻の感想では、世界観について書きましたが。
物語は世界観だけでは面白くならず、やはりそこで動くキャラクターがよくないといけないわけで。
この作品の特徴としては、とにかく「さすおに」に尽きるのではないかと思います。
と書きつつ、このあいだ仕事場で初めて聞いたのですが。主人公の妹で、超絶ブラコンの深雪が「さすがはお兄様です」と、兄を褒め称えるセリフの省略形。そんな縮め方で言われているとは。
ちなみに主人公達也の方も超絶シスコンで、二人で怪しい世界を作っています。
これ、上手くできてるなあと思うのです。
達也は、絶対的な強さを持った主人公で女の子にもてもてというパターンなのですが、すごい能力を持っていて完璧な主人公は、感情移入しづらかったりします。
でも達也は諸般の事情で力を隠さざるを得ず、その結果、劣等生のレッテルを貼られ、でも深雪は本当の力を知っているから、それが悔しくてたまらない。
そういう不遇があって、でも本当の力が知れていって、どんどん勝っていくというのは、ある意味黄金パターン。非常に爽快です。特にこの3・4巻ではその展開が余すところなく。
そこでの「さすがはお兄様」は、他の作品で言うと「ガラスの仮面」の月影先生の「北島マヤ、あの子は天才よ」的な、象徴的なセリフです。
あと、完璧主人公達也の、隙を作るのにもうまく使われます。
超絶シスコンと超絶ブラコンの兄妹を、またやってる、という感じで周りが生ぬるく見たりしていて。
兄妹の関係にも、裏に重い設定があるのですが、それを場面に応じてシリアスに使ったりコミカルに使ったり、うまいなあと思ったのでした。
他にうまく作ってるなあと思ったのは。
出てくる敵が、中国に設定されているところ。
昔のSFだと、よく米ソ冷戦ののち第三次世界大戦という設定がありました。SFもなんだかんだで世相に左右されるわけで。
あとがきに、この話はフィクションです的ないいわけがちょこっと書いてありましたけれど(笑)、今なら確かに中国ですよね。
さて、この24時間で4冊なんてペースで読んでると、さすがに他に何も手につかなくなってしまうので。
次の巻はちょっと間をおいて。楽しみ。
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