月刊群雛9月号 アニウッド大通り誕生秘話
月刊群雛9月号が発売しています。
そして恒例の巻頭記事から考えるコーナー。今回はインタビュー記事です。「アニウッド大通り」誕生秘話。無料お試しで読めますよ。
「アニウッド大通り」作者の記伊孝さんは漫画家で、連載経験もある方です。ところがこの作品は、まずpixivに投稿。ニコニコ静画、kindleと来て、今度星海社さんから単行本になったのです。
何で商業誌からスタートしてないのか。その経緯が、どこかで聞いた話。
(当時、出版社の編集者と)打ち合わせをしているうちに、なんかどんどん……単純にその時、自分の力がなかったというのもあるんですけど、疑問ばかり自分の中に溜まっていって。何か「違うんじゃないか」「違うんじゃないか」という思いがすごくありまして、最後に爆発するように「全部やめた!」って。
(中略)
雑誌に合わせるとか、流行りに合わせるとか、そういうのやってたら頭がおかしくなってきちゃって。何をやってるんだか、よく分からなくなっちゃったんですよ。だから、一回そこから逃れないと、自分はもうダメになっちゃうだろうな、って思ったんです。
すっごい身に覚えがある。
ただ、僕の場合、「違うんじゃないか」と思ったら、たいした力もないのに従わず、その結果使ってもらえないという悪循環の方でしたが(^^;;)
でも迷って自信なくなってくんですよね。
漫画家って職人仕事の部分が結構大きいから、ほんとは力がどんどんついてってるはずなのに、自信がなくなるとそつのない物しか描けなくなって、面白くなくなるんですよ。絵もネームも下手だけど、まだ心が折れてない若い子の方が面白いという事態になっちゃう。
前回、自殺した作家さんの話で、別ルートがあればと書きましたが、これはまさにその話です。
売れそうな物を悩まずに描ける、もともとそれに向いているというのは、得難い才能です。それは持ってないけど、別の物を作る才能はあるという人が、別ルートによって、こうして救われていくんじゃないのかな、と思うのです。
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