月刊群雛8月号 心安らぐ別ルート
月刊群雛8月号が発売しています。
恒例の巻頭寄稿から考えるコーナー。今月の巻頭は、池田敬二さんの「「月刊群雛」への応援歌」です。
大日本印刷にお勤めの池田さんは、群雛が創刊した時に、その創刊の辞に曲をつけ、音楽活動もなさっているようで持ち歌に。単に記事のタイトルなのではなく、本当に応援歌を歌ってくださっているのです。
文中で佐藤泰志さんという作家に触れています。芥川賞に5回ノミネート、三島由紀夫賞の候補にもなりましたが、どちらも受賞にいたらず、1990年に41歳で自殺という不遇の生涯だったそうです。
ところが没後10年を過ぎたころ、故郷函館で市民が中心になって短編などを再録した追想集を刊行、ウェブサイトで情報発信を始めると、それをきっかけに再び光が当たり始めます。
短編が映画化され、本は次々と再刊。今年春にも別の作品が映画化されて、全国公開となりました。
池田さんは、もしセルフパブリッシングのような別ルートがあったら、自殺まで追い込まれなかったのではと感じたと書いています。
確かにそれはあるかも。
もうだめだという絶望は、打つ手がなくなっちゃうから訪れるわけで。
この間4連続ボツで残弾ゼロになった時には、かなり引きずりました。僕は、仲間内ではボツになっても立ち直りが速いと評判なので、珍しい事態。
それでも、「仕方ない、君の守護者の次を上げなきゃ」とか作業してると、気分が切り替わってきましたしね。
商業出版は、出る出ないのオール・オア・ナッシングで、判定基準も他の人の胸のうちだから推測するしかなくて、迷い始めると本当に弱気になる。この先に道はないんじゃないかという気分。「このままではまずいのか? いやむしろ、もう詰んでるんじゃないのか?」という焦りが生まれます。
自己出版だと、とりあえずは出せるし、基準は自分の「こういうのが面白いはず!」という思いだから明確。読者も、ここから食べられる所まで持っていくのはかなり遠いなあというレベルだけど、ゼロじゃない。「力不足だからもっとがんばろう」と、ポジティブに苦境を捉えることができます。
まあ、代わりに別の困難があるんですけれど、それでもやっぱり、別ルートあってよかったなあと思うのです。
さて現在は、商業用企画と「君の守護者」を並行中。疲れてひらめかなくなったら別のに切り替えて気分をリフレッシュ、という作戦。このままがんばろう。
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