彗星王の陰謀/惑星タラスト救出せよ!
彗星王の陰謀/惑星タラスト救出せよ! (エドモンド・ハミルトン著)を読みました!
キャプテン・フューチャーはヒーローパルプと呼ばれる作品群の一つ。パターンにはめて量産する、簡単に言っちゃうと水戸黄門なのだそうですが。
ちょっとずつだけど話が進んでいて、そこが楽しい。
ということで、以下に感想。
まずは出だしのところ。
「彗星王の陰謀」
宇宙船が次々と跡形もなく消失するという、謎の事件が勃発。調査に向かった惑星パトロールの警備艇まで消えうせて、さらにはエズラとジョオンも行方不明となってしまった。
依頼を受けたカーティスたちが調べたところ、どうやらこの事件にはハレー彗星が絡んでいるようだ。急遽彗星に向かうと、<コメット>が謎の力場に捕獲された!
「惑星タラスト救出せよ!」
火星人の老科学者チコ・スリンから呼び出しを受けたキャプテン・フューチャー。彼はハレー彗星の事件で知り合った人で、そのとき得た技術を使い、二十億光年離れた別の宇宙との接触に成功したと言う。
チコの組み立てた転送機によってこちらに現れたゲルデックとシーリ。カーティスを見るや、種族に伝わる伝説の英雄に違いないと言い出し、彼らの種族を救ってほしいと願い出るのだが……。
昔読んだ記憶では、惑星パトロールの女性捜査官ジョオン・ランドールはヒロインの立ち居地で、結構仲がよかった印象だったのですが。
今のライトノベルとかを読んだあとだと、「あれっ、こんな軽い扱いだったっけ?」と思ってしまうのです。一目惚れなんだけど、あまり報われず、いじられもせず。出番自体が少ない。
それでもチョコチョコと進展はあったんだけど、「彗星王の陰謀」では。
囚われの身となり、不老不死だけれど彗星から出られない電気人間に改造されたジョオンを追って、自らも改造されたカーティスとの会話。
しかしカーティスの腕の中からじっと見あげる彼女の顔には、深い苦悩の影があった。
「カーティス、もしも電気人間化した体をもとへ戻す方法が発見できなかったら、どうするの? あなたは二度とこの彗星の中から出られないのよ。箒星人としてここに永久に住み、二度と宇宙に出るわけにはいかないのよ」
かれはじっとジョオンを見おろした。
「ジョオン、おれは箒星人のために、かれらの体をもとへ戻す方法を発見したいと思っているよ。だが、かりに発見できなかったとしても、おれは、余生をここで送ることになんの悔いもないよ――きみと一緒なら」
彼女はカーティスの肩に顔を埋め、かすかにつぶやいた。「ああ、わたしって利己主義者ねェ。あなたがその方法を発見しませんように――ってお祈りしたくなるわ!」
よかったー。ジョオンが報われたー。
ちなみに次の「惑星タラスト救出せよ」では、カーティスはジョオンに出会ったとたんに脇に手をいれ高い高いをして、僕の可愛い子猫ちゃん状態なのです。
どうやら、子供の時には発表順に読んでいなかったので、仲のいい巻とそこまで進展していない巻がごっちゃになっていたみたいです。
最後まで行ったらどうなるのかな。
さて、子供の頃の好きな本を読んで刺激を受けようと読み始めたキャプテン・フューチャーですが。
全集で読んでいるので巻末解説が充実していて、当事の出版事情なんかも知るようになり。
ヒーローパルプは、いろんな作家が同じペンネームを共有して書いてることが多かったようなのですが、キャプテン・フューチャーはエドモンド・ハミルトンがほとんど書いていたそうで。
それで発行年を見ると年四冊出てたりして、自分ももっと書くスピード上げられるんじゃないかと思えてきましたよ!
そういうところでも刺激を受けて、今奮闘中。とりあえず二週間で短編一本書き上げたのでした。次は長編ー!
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