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2013/10/25

輝く星々のかなたへ!/月世界の無法者

輝く星々のかなたへ!/月世界の無法者 (エドモンド・ハミルトン著)を読みました!

最初は、今度スペースオペラを書くから子供の時に好きだった物を読み返して、自分のツボを探ってみよう、というところから読み始めたのですが。

大人になって見る目が変わっていたり、巻末の解説に当時の世相が紹介されていたり、いろいろと考えさせられることが多いのです。温故知新。

というわけで以下あらすじと感想。

まずはさわりの部分。

「輝く星々のかなたへ!」

水星は危機に瀕していた。小さな質量と太陽への近さという悪条件は、この星から水と大気を奪いつつあった。それを補うための人工空気工場でも、原料となる酸化物が枯渇しつつあり、人々はほかの星への移住を余儀なくされていた。

それを救うためカーティスは、銀河の中心にあるとされる<物質生成の場>の秘密を解き明かそうと、太陽系を旅立つのだが……。

「月世界の無法者」

<物質生成の場>の秘密を探求しに太陽系を離れたキャプテン・フューチャー一行。数ヶ月に渡る不在に、人々は一行の死を口にしはじめていた。その隙に、月のフューチャー基地に押し入ろうとする輩も現れた。

カーティスたちが帰ってみると、みんなの様子がおかしい。人類の裏切り者と非難され、太陽系政府主席殺害の汚名を着せられる。月のラジウム強奪をたくらむ卑劣漢の罠で指名手配犯となった一行は……。

キャプテン・フューチャーの愛機コメット号は、サイクロトロンで宇宙を飛んでいるのですが、この「輝く星々のかなたへ!」で、新開発の「振動ドライブ」が装備されます。超光速で飛ぶ装置。

子供のころは「すごい速い」とか「すごい強い」に弱かったんですよねえ。これにわくわくした記憶があります。

特に連続アクションものの性格を持つスペースオペラは、エスカレートが必須です。どんどんすごい事件を起こさなくてはいけません。とうとう太陽系を飛び出して、銀河の真ん中まで行きました。

見たことない場所をどれだけすごく書くかというのが、というのが重要なポイント。本当は銀河の真ん中には超巨大ブラックホールがあるというのが最近の研究結果ですが、どう見えるのかなあ。

そして次の「月世界の無法者」で、舞台が足元の月になったのに、なるほどと思いました。行くところまで行っちゃったので、方向性を変えた。

誤解があるけど本当は味方なので武器が使えないという制限をつけることによって、追ってくる相手に手が出せないという大ピンチを演出します。そこからの大逆転が楽しいのです。

さて、そういうわくわくするアイディアについて巻末に鏡明さんの解説がありました。キャプテン・フューチャーの面白さについて。

キャプテン・フューチャーは当事はやっていた、ヒーローパルプという出版形態です。これはアメリカではアメコミに受け継がれていて、まずキャラクターを設定して型を作り、いろんな人が書いて量産するかたちのお話。

これを同じ公式(フォーミュラー)を使うという意味で、フォーミュラー・フィクションというのだそうです。分かりやすい日本の例では、水戸黄門が上げられています。

同じ型の物が受けるのは、結局それをみんなが欲しているから。しかしそれだけでは飽きてしまいます。「ドック・サヴェッジ」というヒーローパルプの作者、レスター・デントの言葉が紹介されています。

フォーミュラー・フィクションで最も重要なことは、単調にならないこと。読者を引きずり込むためには、すべてのページにちょっとした驚きを入れておかねばならない。アイディアこそが、単調な物語をつくらないために必要なことなのだ。

そして鏡さんは、キャプテン・フューチャーにはそういうアイディアが詰まっていて、だから面白いのだと言います。

それは僕も思いました。というか、キャプテン・フューチャーを読んで温故知新と言っているのは、そういうところ。

僕は構成力についてはほめられるタイプなのですが、どうもそこに筋を通したところで「よし、終わった」と慢心するのが弱点。お話の構成は「器」なんだと最近思います。そこにどれだけアイディアを盛るか。

アイディアというと、設定やエピソードの大ネタが連想されますが、もっと小さい物も含みます。一番小さいところでは表現描写のアイディアまで。キャプテン・フューチャーで言うと、恒例のグラッグとオットーの罵り合いの言い回しも、アイディアのうち。

そういう面白さをどんどん盛っていって、読者に刺激を与え続けること。それが大切なんだなあと、読みながら噛みしめているこのごろです。

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