透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド
透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド (エドモンド・ハミルトン著)を読みました!
水星から冥王星まで、太陽系内はもう一巡りした感があるなあと思っていたら、さらに大仕掛けになりました。エンタメ作品としてはそうこなくちゃですよね!
アイディアとしては使い古されているんだけど、それはこれが70年以上前の作品なので当たり前で、そこから逆に科学史を調べてみたりして楽しんでいます。
ということで、以下あらすじと感想。
ということでまずさわりの部分。
「透明惑星危機一髪!」
冥王星の衛星ケルベロスにある太陽系刑務所から、<火星の魔術師>ウル・クォルンが脱獄した。大勢の看守の目前で、宇宙船ごと消えうせたのだ。カーティスへの復讐を忘れえぬクォルンは、その不思議な宇宙船を使い、各地でサイクロトロンや金属などいろんな部品を盗み出し……。
「時のロスト・ワールド」
月面基地のカーティスたちの元へ、一隻のロケットがやってきた。乗っていたのは一人の鉱夫。とある小惑星で不思議な声を聞き、助けを求めにやってきた。その声は過去からのもので、未来人に援助を求めるものだった。
前の巻辺りから、ジョオンの積極アピールが目立ちます。最初の出会いからカーティスに惹かれていましたが、やきもち焼いてみたり、いやみを言ってみたり。
そして「透明惑星危機一髪!」の最後にはストレートなアピール。「月面基地へはどうしても女の子は入れてくれないの?」けなげな感じにちょっとどきどき。
でも、あんまり出番ないんですよね。今の日本のラノベだと、むしろどうヒロインを絡めるかの方が重要な気配があるというのに、もったいない。この辺も時代の違いとか、文化の違いとか、いろいろ考えられるところです。
「時のロストワールド」では、過去に砕け散った惑星カタインが出てきます。それにより小惑星帯が出来たという説は、実際に当時検討されてた学説です。
現在では逆に、小さな原始惑星が合体成長して惑星に育ったと考えられていて、小惑星帯はそばにある木星の引力にかく乱されて、惑星に育ちきらなかったと考えられています。こういう時代の変遷が面白い。
ちなみに、僕の今書いている作品は小惑星帯が舞台。小惑星帯の描写って変わったなあと思いながら描いています。
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