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2013/08/23

挑戦!嵐の海底都市/脅威!不死密売団

挑戦!嵐の海底都市/脅威!不死密売団 (エドモント・ハミルトン著)を読みました!

全部のタイトルがこのパターンなわけではないのだけれど、○○!○○○の形はハッタリ効いててわくわくするいい形。いつか自分も使いたい。

読んでいくほど、漫画の、特に週刊連載との類似性を感じて、エンタメの基本ってあるんだなあと思います。ハッタリ大切。七割ぐらいそれで飯食える。

ということで以下感想。

いつもは冒頭のあらすじなのですが、今回は巻末の解説から引用。

話は少し逸れるが、英米のSF界では、<キャプテン・フューチャー>シリーズはあまり高く評価されていない。いや、むしろ不当に軽視されてきたと言ってよいだろう。リンダ・K・ルイスなんぞは「お定まりのパターンと人物造詣や文体の欠如に、批評家たちは真面目にこのシリーズを取りあおうという気をなくした。そして不幸にも、ハミルトンの他の作品まで低く見られてしまったのだ」(Reader's Guide to 20th Century Science Fiction)と断じている。マイク・アシュリーも「<キャプテン・フューチャー>はどこから見ても、子どもの読者にむけたもので、キャンベルがめざしていたような洗練された作品への志向はかけらもなかった」(『SF雑誌の歴史 パルプマガジンの饗宴』)とすげない。まあ、このあたりの意見が、あちらのSF界における最大公約数といえよう。

子供向けだからこそ、勉強になるはずだと今読み返しているわけですが。

最初に書いたように、週刊漫画と同じ構造だなと感じます。ハッタリにハッタリを重ねて、危機を次々と持ってくるところは、バトル漫画の手法。

この解説は、「ヒーロー・パルプ」と呼ばれる、向こうの出版形態について解説したものです。キャラクター物で、中には隔週刊の物もあったようで、次から次へと量産されていた。推敲する時間もなく、編集部からプロットに介入されるのも普通のことだったようで、創作環境が漫画に似てるんだから、展開も似てくるよなあと思ったのでした。

さて、評価としてはこのように低いみたいなんですが、でもそれってジレンマだよねえとも思います。評論家の高評価=商業的な成功じゃないからです。むしろ売れないんじゃないかと思うぐらい。

評論家の高評価って、「面白さ」という視点からは枝葉の部分を針小棒大に膨らませる傾向がある。評論家も売文家なわけで、書いた文章にハッタリ効いてないと商品価値出ないから。「すげー!」「かっけー!」じゃご飯食べられない。

この辺は掘っていくと長い話になりそうなので、置いといて。

とにかく作品の成功は、伝えたい人に伝えたい事が伝わっているかどうかだと思うので、喜んで読んでもらえていれば大成功なのです。大人になっちゃうと、カーティスが「二手に分かれよう。俺は一人であっちを追う」と言ったら、ははーん、捕まってピンチになるなと分かっちゃうけど(笑)、そっちの方が盛り上がるなら、それでいい。

むしろ僕はそういう方面が弱いのではと自覚があるので、勉強したいところです。もっと盛り上げたい。

さて、「子供向け」でも、ただひたすら分かりやすければいい、というわけではありません。それは迎合。

背伸びする部分も必要で、影の部分がヒーローの条件だったりします。

「挑戦!嵐の海底都市」のラストシーン。全てが終わって引き上げる時、ふっと疲れを感じるカーティス。そんな時、通りの店から聞こえる楽しそうな音楽。窓から見える、楽しく踊る男女。ふと浮かぶ、うらやましいなと言いたげな表情。その男女と同じぐらいの年齢だけれど、特別な生い立ちのカーティスは、そんな経験をしたこともない。

うらやましいと言わないところがミソですよ。でも代わりにすばらしい体験を積んできたじゃないかと自分に言い聞かし、「充分だ、おれには充分すぎるぐらいだ」とそっとささやく。そして月へと向かって家路に着くのです。

みんなの幸せな暮らしがキャプテン・フューチャーの献身によって支えられているけれど、ヒーローの孤独にはみんな気がつかない。

こういう、おやっ? と思わせるシーンも大切ですよね。いいエンディングでした。

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