恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近!
キャプテン・フューチャー全集1 恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! (エドモンド・ハミルトン著) を読みました!
今書いているお話が、未来の宇宙で小学生が大活躍という感じの話なので、子供の頃に好きだったスペースオペラを読み返してみようと思った次第。
実家の本棚にはあるはずなんだけど、読むのは中学生以来ぐらいじゃないだろか?
ということで、以下にあらすじと感想。
まずはさわりの部分。
太陽系にあまねく人類が進出した未来。木星で奇怪な事件が起きていた。道行く人が突然発病し、先祖返りを起こして、獣の姿に成り果ててしまうのだ。原因は不明、いつ自分の身の上に降りかかるか分からない事態に、人々は恐怖していた。
木星に送り込んだ諜報員までもがこの奇病にかかり命を落とすも、彼はかろうじて、この事件の黒幕が「宇宙帝王」なる謎の人物であると突き止めていた。
前代未聞の怪事件を前に、もはや太陽系政府の打つ手は尽きた。ただ一つをのぞいては。
かくして北極のマグネシウム信号灯台が明滅、月へと信号を送った。そう、科学の天才にして正義の守護者、キャプテン・フューチャーを呼び寄せるのだ!
ちょっとスペースオペラ風に書いてみました(^^)/
読む前は、「ずいぶん昔に読んだきりだし、子供だったし、多分思い出補正が入ってるんだろうなー」と思っていて。実際読み始めた辺りでは、ちょっとそれを感じていました。
でもだんだん楽しくなってきて。
あの頃のスペースオペラの雰囲気を確認したいだけだったので、二巻分が一組になっているこの本は途中まででもいいかなと思いながら読み始めたのに、最後まで読み通して続巻も注文。
三つ子の魂百までって言うけど、何かが刷り込まれているに違いないですよ!
キャ プテン・フューチャーことカーティス・ニュートンは、幼少の頃両親を悪人に殺され、生きている脳サイモン、アンドロイドのオットー、ロボットのグラッグに 育てられ、鍛えられました。両親を殺した悪を憎み、正義の人として人類に奉仕しています。太陽系随一の科学者で、行動力、決断力に富み、不屈の精神を持つ冒険家。並外れた敏捷性と射撃の腕。さらに美人諜報員がすっかり参ってしまうイケメンなのです。
盛りすぎだろ! と、思わず突っ込みを入れたくなります。これでもかというくらいの完全無欠、無敵のスーパー主人公。
しかし無敵のはずですが、すぐ大ピンチに陥ります。なぜなら相手が、「今だかつてない未曾有の事態」だったり「比べるべくもない人類が初めて出会う強敵」だったりするからです。
ハッタリにハッタリを重ねて、どんどんエスカレートしていく。エンターテインメントの原点ですね。そのコテコテの文章が、読んでいて楽しくなってきます。ああ、このわくわくする気持ちを当時の僕も感じていたなと、懐かしくなりました。
あと、舞台も魅力的です。木星の大火炎海とか、冥王星の凍てつく地獄海とか。謎の生物もわんさかいるし。
このお話が書かれたのは1940年。冥王星の発見が1930年です。探査機も飛んでないので、想像の余地がたくさん残っているのです。
観測結果からすれば、冥王星の地表温度はマイナス230℃なので、寒いどころではないのですが(^^;;) 今書くとこういう事実と擦り合わせないといけないので、好き勝手書けるのはちょっとうらやましいです。
でも負けずに、魅力的な舞台にしないとね!
余談ですが、「暗黒星大接近!」では冥王星に三つ衛星があることになっていて、カロン、ケルベロス、ステュクスと呼ばれていますが、それぞれ1978年、2011年、2012年に発見された衛星の名前となっています。予言的中、お見事。
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コメント
冥王星の3つの衛星、カロンは冥界の河の渡し守で、ステュクスはその冥界を流れる河あるいは神格した女神、ケルベロスは頭が3つある冥界の番犬の名です。
完璧超人・・・少年漫画のヒロイン、少女漫画のヒーローあるいはライバルキャラかな・・・でも実は欠点があるという場合が多いですね。音痴、絵が下手(芸術音痴)、動物が苦手、料理ベタ、貧乏(山田太郎ものがたりか・・・)
森山先生は・・・完璧超人じゃないか・・・音痴か芸術方面がダメかも、あとハーレム系ラブコメの主人公にありがちなように異性のことに関して鈍感かも・・・またなんか変になってしまいスイマセン
(^^;)A
投稿: みゅー | 2013/08/07 22:53
惑星、衛星はギリシャ神話から名前を取ってるので、小説でもそれで名前をつけたんでしょうねー。
漫画でも昔はスーパー主人公だったんですよね。だんだん感情移入しやすいような、人間味を出す方向になっていったわけですけど、逆に新鮮に感じます。
森山先生は、何がだめなんでしょうかねー。絵は下手かも。
投稿: かわせ | 2013/08/09 03:45