思い入れのある作品は続いて欲しい
最近はツイッターなどで、作家のみなさんが直接情報発信していたりするわけですが。
自著の宣伝をしている時、「一巻が売れないと二巻が出ない」というような、赤裸々な告白をしているのを目にすることがあります。
すっごい身につまされる話です(^^;;)
ビジネスなんだから売れなきゃ仕方ないのは昔からなんですけれど。
僕らの世代は出版のピークの頃に育っているので、自分が読んでいる連載が単行本出なくて未収録になるというのは、とても寂しい。
あと書き手の立場からすると、こういう状態だとリスク回避の気分が強くなり、「こういうのじゃないと通らないよね」みたいな暗黙の了解ができてしまって、作品の内容に影響が。
好きな物を描いていればお金になるのは本当に一部の売れっ子の人で、大多数の人はマーケティングから逃れられないんですよねえ。
ただ、僕は作者の思い入れが、細部への気配りとか過剰なエネルギーを生んで、作品を面白くすると考えていて。
また読者の方も、好きな人ほどたくさん読んでいて目が肥えているうえに人の好みは千差万別で、一番売れるパターンさえ与えとけば皆満足なんてことにはならないので。
作者が最後まで描きたいと思い入れてる作品は、ぜひみんな続いて、作者の個性が花開く、多様な世界になってほしいなと思うのです。
一番身近なところで言うと、ナベ先生の単行本が出ましたが。
ナベ先生は、ギャグとシリアス、鬱展開に大ハッピーエンドと、ものすごい振れ幅のある作風。上で言うところの過剰なエネルギーがすごい。ただ、そのためにページがかかる描き方です。
最初のハーメルは連載開始当初はギャグ漫画扱いだったので放っておかれましたが、その次からはどうしても、ギャグはいいから話を進めてくれという圧力がかかり、苦しんでました。
今回は自前連載で、そこは自分でコントロールできるので、上手く行ってほしいなあと思います。
ナベ先生のはけっこう大掛かりだけれど、もっと簡単な個人出版の仕組みもできてることですし。
最後の手段もあるわけだから、そういうのを使ってでも、みんなが描きたいものを描き切ってほしいなと思います。
僕もいろいろがんばりますよ!
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