RDG 6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと
今日から仕事場です。サッカーはまだ録画を見てないので、今日の記事はこのあいだ読み終えたこちら。
RDG 6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと(荻原規子・著)を読みました!
いい話だった!
1巻でああ始まって、最終巻でこう終わる。すごくきれいにいいシーンでまとまって、大満足ですよ。
というわけで、以下にさわりの部分と感想。
戦国学園祭で能力を顕現させた泉水子。影の生徒会長・村上穂高は、その結果を見て世界遺産候補に泉水子を推す。宗田きょうだいは自分たちが世界遺産候補争いから外れても、それが泉水子ならばいいとわだかまりなく受け入れるが、陰陽師代表の高柳は異議を唱え、再戦が決定する。
そこに留学生のアンジェリカが、自分は実はIUCN(世界自然保護連合)の人間で、世界遺産候補の予備調査に来ていたと告白。泉水子はいやおうもなく事態の中心人物に祭り上げられていくのだが……。
5巻の感想でも書きましたが、このお話にはずっと三つのテーマがありました。
一番スケールが大きかったのは、泉水子に憑いている姫神の話。世界遺産になるほどの巨大な力。そしてそれが世界を滅亡へ導くかもしれないという未来。
次に深行との関係。恋愛ものとして、最初苦手だった男の子と、だんだん仲良くなっていく話。
そして一番最初からあった、泉水子の成長。これでもかというくらい内気で、世間知らずな泉水子が、せめて何とか人並みにと奮闘する話。
普通エンタメ的に考えたら、一番大きな世界滅亡なんかのテーマをエスカレートさせて、もう一騒ぎ大きな事件を起こすところだと思うんですけど。
それはなかった。むしろそっちの話は先送り。未来の世界がどうなるのかは分からない。
そしてそれがよかったなあと思うのです。最初に読んだ時の感想が「すごく少女漫画的、古典的と言ってもいいぐらい」だったので。
だってね、「内気で引っ込み思案で何のとりえもない少女が、一つの隙もないイケメンと出会い、最初の出会いは最悪! というところから仲良くなっていく話」なんですよ。
だから最後もそう締めてくれたのが大満足。あとがきに。
レッドデータガールの物語は、一つの幕引きを迎えました。
泉水子も、そして深行も、スタート地点の足場を固めたに過ぎないのですが、泉水子の「はじめて物語」は、この辺りで終結すると思えるからです。
と書かれていて、確かにそうだなと。
タイトルの「RDG レッドデータガール」は、絶滅危惧種を記載したレッドデータブックにひっかけていて、保護されるべく世界遺産になる女の子という意図なのですが。
姫神が憑く巫女としての能力が絶滅危惧種なんじゃなくて、今時いないんじゃないかというぐらい純な女の子として危惧種だったんじゃないかなと、読み終わって思いました。
最後のシーンがああで、「泉水子が知らないことは、まだ星の数ほどあるのだった」という一行で終わって、素晴らしい余韻。そうだ、まだまだいろいろあるぞ、がんばれー!
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