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2013/06/16

殺人事件とコメディ

「ジェシカおばさんの事件簿」を見続けてます。

以前見たのはNHKでやってたころで、かなり久々に見てるんですけど。

その間に僕も漫画やら小説やらで話を作る仕事のプロとなり。

視点が結構違ってきています。構成とか見ちゃいますね。

ミステリーだと、刑事コロンボは最初から犯人分かってますけど、普通は真犯人が分からないまま進んでいくので、お客さんの視線をどう誘導していくか。怪しそうな人をダミーで置いて、この人かなあの人かなと振り回す。そういうところが肝ですよね。

もう一つ、ちょうど今見てよかったと思ったのは。

この作品がシリアスなストーリーではなく、コメディの要素を持っていることです。

本来なら人が死んでいるんだから、現場はもっと凄惨だったり沈痛だったりしているはず。でもたいがいのミステリーは、その辺をコントロールして話を進めていきます。それは描くべき要素じゃないから。

例えば名探偵コナンで、あんなにばんばん死体見てたら、ほんとは大人で探偵のコナン君はともかく、周りの友達の子供たちは今頃PTSDでフラッシュバックがひどかったりしてると思うんですよ。首吊り死体とか惨殺体をいろいろ見てるんだよ?

でもそんなところにページ割いても作品の狙いとは関係ないので、そういうリアクションは抑える。

ジェシカおばさんの事件簿の場合は、もっとすごくて、殺人事件とコメディは本来は相反しているはずなのです。でも楽しいし、かといって事件をおちゃらけて扱ってる印象はない。

どのシーンなら遊んでいいのか。緊張と緩和のリズムをどう作るか。

僕の話の作り方もそういうところがあって、キャラクターを動かすのに、楽しいシーンを入れないと動かしづらいのですが。

今回テーマ自体は真面目なので、一つ間違えるとばらばらになっちゃったり、お互いを殺し合ったりしてしまいそう。

真面目なのに楽しいという物語にするには、どの辺がツボなのかなと、そういうところにも注目しながら見ています。

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