マグダラで眠れⅢ
マグダラで眠れⅢ (支倉凍砂・著)を読みました!
世の流れから超越しているというか、要するに情報追って新作チェックしてないから、ここに載る感想は旬を外れた物が多いのですが。
発売月にちゃんと読んでの感想ですよ。いつもは、どうせ好きな人はもう読み終わってるだろうと気にしてないんだけど、未読の方がいましたら御注意ください。
というわけで以下感想。
まずはあらすじ。
カザン入植を控え、出立の準備に忙しい工房。そこへ元鍛冶屋組合長、イリーナがやってくる。偽ダマスカス鋼を作りカザン入植に一役買ったイリーナも、クースラたちと行動を共にするのだ。自分より圧倒的に腕の立つ新顔の加入に、立場がないと心穏やかではいられないフェネシス。
そんな時、ウェランドが騎士団に呼びつけられる。女たらしのウェランドが手をつけた町の有力者の娘が、熱を上げるあまりウェランドに結婚を申し込んできて、カザンに行けなくなったと言うのだが……。
この巻は大きな二つのエピソードで構成されています。それがカザン入植への道中の困難としてただ並んでいるのではなく、フェネシスの成長というテーマでつながっています。
このシリーズはまず1巻でマグダラとはというテーマを見せ、2巻では自らのマグダラを探せ、3巻ではがんばって一歩前進というように、フェネシスが少しずつ変化していっているのです。
あとがきに支倉先生も書いていましたが、そうやってフェネシスが成長することで、フェネシスとクースラの関係にも動きが出てきました。最後の二人がいい感じ。
2巻の感想では、ロレンスの方が好感度が高いと書きました。クースラはいたいけな女の子に意地悪いからね。求めるマグダラのために姫役のフェネシスが必要という設定も、ぶっちゃけてしまえば「女の子守るオレかっこいい」という自己陶酔になりかねない。
ところがそこに動きが出て、都合よく守られるだけじゃなくなってきた。フェネシスが成長するに従い、クースラも己のありようを揺さぶられていくわけで、先の展開がとても楽しみになってきました(^^)/
僕は大きな物語できちんと終わるお話が好きなのですが、それができるのが、今はライトノベルなのかなと思います。
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