先週の雑感記 日本のマンガが海外展開するための問題点
まずはお知らせ。迫ってまいりました。今週末です。
COMITIA104に参加します。5/5(日)11:00~16:00。有明・東京ビッグサイト東4・5・6ホール。「や03b かってに応援団」です。
新刊は「リトル・ビット・ワンダー」の第2巻。博士の珍発明で恋の応援をする新エピソードを追加です。

「宇宙犬ハッチー 銀河から来た友だち」も、ちょこっと持って行きます。
さて先週はふと振り返ると、作業がさっぱり進んでいない週でした。レイソル敗戦の翌日の土曜日は、それとあいまってもやもやしてました。
何をするのか、優先順位が絞れていないのが原因。この間までは、ハッチーの出版、同人誌の締め切り、プロットの提出とやんなきゃいけないことがはっきりしてたのですが、それが途切れた。
小説は返事待ちがとにかく長い、という話は聞いてたんですけど、ほんとに長いみたいです。編集さんの机の上には待ち原稿が積んであるんだそうです。原稿書いても長く待った上にボツになるかもしれないと聞いたので、じゃあプロットで先に一度確認してもらおうと提出したんですけど、それも長く待つみたい。漫画のスピードとはかなり違う。
待機が長いならどんどん書いちゃえばいいやと思ってKDPに手をつけようとしたら、これも返事待ち。
書こうと思えば手持ちカードはたくさんあるのですが、でも優先順位が決まってないと、それが裏目に出て集中力が分散、あっちにちょっと手を加え、こっちにちょっと手を加え。ちょっとだからどれも進んで見えないのです。
数えたらプロット五本同進行してるよ。困ったねえ(^^;;)
さて今週は引き続きの話題。
日本のマンガが海外展開するための問題点。
先週紹介した、漫画の海外展開のために左綴じにするべきという話題は、その後も続いて盛り上がっていた模様です。
その中で、実際に海外調査をした人の意見がこちら。
要点をまとめると。
- 海外では漫画はオタクしか読んでいないので市場は国内よりも小さい。
- 若い子は右綴じをスペシャルでむしろクールと思っている。
- 綴じよりも、日本の出版社が海外で売る気がないのが一番の問題。対応が悪い。
- 唯一中国が漫画が普及している国だけど、海賊版がすごい。(文中あまり強調されてませんが、政府公認海賊本まである模様)
- ネット上に海賊版がアップされるのは問題。
- 右左は決定的ではないのでいろいろチャレンジすればいいのでは?
という感じでしょうか。僕がいろいろ出版系のニュースを追っている印象とも合致して、非常に納得できる内容でした。あと、竹熊先生はデータを見なさすぎ。自分の見た狭い範囲が世界の真実なら、いまだに世界は天動説。
それから横書きのメガヒットが中国から先に出て市場を押さえられたらどうするという意見は、先に縦書きのメガヒット出して世界標準競争に勝つ気はないのか、戦う気がないならリングに上がるんじゃねえよと、結構僕の逆鱗に触れる問題なのです。
まだ向こうは日本コピーの状態でこっちがリードして走ってるのに、負けずに進化する気がないってどういうことなの。腰の引けた選手がピッチにいると、腹立つよね?
さてこの、先にメガヒット出して勝てばいいじゃんという問題と、上の1.にかかっていたのが、僕の敷居を下げることを考えるべきではないかという意見でした。
敷居ということでこの間ちょうど友達と話してたのが、アニメの例。「となりのトトロ」です。
僕の世代は小学生の時にガンダムが直撃しているのですが、それでもオタクであることは大きくなるとちょっと人に言いづらい雰囲気でした。
僕が漫画描いてるのを高校の同級生はほとんど知らなかったし、逆に同じクラスにガンダムオタクが結構いたことを僕は知らなかった。後で聞いたらやっぱり隠れてたみたい。一つ上のヤマト直撃世代の人はもっと隠れてたんじゃないかな。
なので、トトロでアニメが表立った話題になった時にはほんとにびっくりしました。TVで芸能人がナウシカ好きとかラピュタ好きとか言い出して、どうせリアルタイムで見てないくせにと、腹立ったぐらい。ガンダム芸人がいる今とは敷居の高さが雲泥だったのです。
ちなみに敷居の高さは数字に出ています。ジブリ映画歴代観客動員。
どんじりラピュタなんですよ。で、ナウシカ、トトロ/火垂るの墓(同時上映)が下からの順。観客動員も100万に届いてない。
それまでアニメは基本的に子供の見るもので、ひどいこと言えば、おもちゃの販促プロモーションフィルムだったりした。ガンダムが作中で「白いモビルスーツ」と呼ばれてるのに、胸部青、胴部赤なのは、子供には色のくっきりした三原色の合体ロボが好まれると注文が入ったからだそうです。
アニメは卒業する物、大人になって見るのは変な人。その敷居をトトロは下げました。映画賞を取るなど評価され、ジブリアニメは進んで大人が見てもいい物になった。
これには題材が身近な日本だったというとっつきやすさともう一つ、ジブリアニメの文法が影響していると思います。
高畠監督、宮崎駿監督は、日本アニメーションの出身です。二人が関わった作品を見ると、例えば「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」などは、地味だけどていねいな名作シリーズの中でも、さらにていねいな描写が目立ちます。その流れで、ジブリ作品は他のアニメに比べると、動きや演出をデフォルメせず、じっくりと描いています。
題材も描写も入りやすかったので、敷居が低かった。どっと人が入ってきてブームになり、以前の物も見てもらえた。好きなジブリ映画というアンケートを取ると、トトロ、ラピュタ、ナウシカは必ず上位に来ます。(ナウシカはジブリ設立前なので、設問から外れる場合があり)
それで面白いとなってどんどん人が増えていく好循環。「千と千尋の神隠し」でピークを迎えました。
ただ、それ以降は正直、動画のていねいさは残っているけど、話の細部はていねいなんじゃなくて雑でたるいというレベルに落ちた印象なので、動員はどんどん減ってますね。むべなるかな。
というように、敷居が下げるとどっと人が入ってくるということがあるのでは。
ジブリ以外のアニメでいうと、特に画質は確実に上がっていて、聖地巡礼なんて経済効果を生み出すパワーもあるのに、どうしても敷居が高いので裾野が広がっておらず、直接の儲けはほどほどで職人としての腕に見合っていなくて可哀想というのが僕の感想。
たまにそれを問題にしている中の人の発言も見かけますが、文法を一度解体して再構築する必要があるので、なかなか難しいだろうなあ。細田監督はそれに成功したような気がします。
漫画も海外でメガヒットを生むというのなら、そういうチャレンジがあってもいいんじゃないかなと思うのです。
3.4.5.にも考えるところはありますが、長くなってきたので今日はこの辺で。
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