先週の雑感記 自らweb連載とクールジャパンと贈呈式
さてまずはお知らせから。
COMITIA104に参加します。5/5(日)11:00~16:00。有明・東京ビッグサイト東4・5・6ホール。「や03b かってに応援団」です。
火曜日に入稿したので、新刊は出ますよー。
印刷所帰りに友達の仕事場にお邪魔しておしゃべり。今後の目論見を話して意見をもらいました。
最近ここに書いてるけど、商業作品からコミティアで出してる同人誌まで、一本道にしたいんですよね。アマゾンでハッチー売ってるの見てたら、このとなりに全部並べたいという気分になったのですよ。
ただ、書きたい作品が誰に売れるかなと考えると、作品ごとにばらばらで、まっすぐな一本道じゃなくて曲がりくねってるような気が。そこがまだ考え所です。
でも実際、だんだん境目なくなってくと思います。ニュースを見て、こんなつぶやき。
自らWeb連載。
雑誌連載を終了、自らWeb連載へ──漫画家Rebisさんの「冒険の旅」 - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/ … こういう例は増えていくんじゃないかな。これで回っていけるなら、作者読者双方にいいことだと思う。
どうにも質が悪くてだめだったなら需要はないけど、いい味出してるのに惜しいとか、題材的に集客が不利だが質は高いとか、そういう作品が救われる。そういうのが好きな読者は多数派じゃないと切り捨てられてるんだけど、その人たちも救われる。(ちなみに僕です)
読める物がたくさん増えると、競争は厳しくなって描く方は大変。ただ、エンタメ業は円熟するとマーケティングが幅を利かせて内容に新鮮さがなくなり衰退が始まるのだけど、競争が激化する新たな局面は、それをリセットするので良いことだ。13/4/3
編集者とのトラブルで、四回打ち切りで一巻にもならないという状態になったそうなのですが、それをそのまま自分で連載。
トラブルじゃなくても打ち切りは漫画の日常風景なのですが、一回目から、ああこれはだめだろうなと思う時もあれば、もったいないなと思うこともあるわけで。
もともとあまり売れない題材とか売れないテーマとかで票を取るのは難しいんだけど、でも質は高いというような物は、特にもったいない。
漫画って薄利多売のビジネスなので、どうしても数がはける売れ線に行きたくなるけれど、でも読む方としては、読書経験値が上がるほどありきたりな物には飽きてきたり、細かいその人ならではの味付けの部分を楽しむようになったりしてくるじゃないですか。
そういう需要は今の雑誌のシステムでは応え切れないと思うので、どんどんこうして勝手に描いて、数が増えていくのはいいことだと思います。
競争に生き残るのが大変だけど、そういうポジティブに大変なのは、作家が血ヘド吐いてがんばればいいんだよ。
こんなニュースもありました。
クールジャパン。
クールジャパン推進会議の秋元氏の発言(優秀なクリエイターが日本のためにノーギャラでチームを組む)を知って、でもきっとそこにかんでくるプロデューサーとか広告代理店はノーギャラじゃないんだろうなーと思った私。日本のためにというところが胡散臭い。
クールジャパンなんて血税の無駄遣いするより、言論や表現の自由をきちっと守ってエネルギーに満ちた場を維持することの方が大切だよ。猥雑で眉をしかめられるぐらいの時が一番面白くて、お上に気に入られるようなお行儀の良い物はもう枯れてんだよ。
ぶっちゃけ、クールジャパンなんて取り上げられてるってことは、活気を失ってそろそろ寿命なのかなとさえ思ってる。
というわけでエネルギーが大切。さっき出かけた時になんとなく買ったキンドル出身作家の著者紹介を見たら、3年で30本も書いているそうで、振り返って自分はまだまだ足りないと思っているところ。13/4/4
こっちのがんばりはよろしくない。クリエイターのがんばりの裏で、うまい汁すすってる奴がいる。
AKBプロデューサーで作詞家の秋元康氏が、有識者を集めたクールジャパン推進会議で、トップクリエイター・ノーギャラボランティア募集的な意見を唱えたそうな。国のためっていうのが胡散臭いよね。大義名分掲げて、ノーギャラはいやだと断ると非国民ですよ。
トップクリエイターにまともなギャラを払ったら予算オーバーという側面もあるそうですが。
でも秋元氏はそういうことを言うには説得力がないなと思いました。かわいい女の子たちを夢の名の下に集めて安い給料でこき使い、自分はぼろく儲けている印象なので。
「恋愛禁止条例なんて僕は作ってない。でも甲子園みたいなもので夢があるなら他のことにうつつを抜かしている暇はないはず」などと奇麗事を言って保身、でも自分の嫁はおニャン子で、てめえは食っちまってるじゃねえかよという体たらく。嫌いなんだよね、こういう人。
クールジャパンとか言い出すと、こういう裏ですするのが上手い人が湧いてきて予算にたかるイメージなので、あまり賛成ではないです。
それよりも、表現、言論の自由をきちんと守ってくれることの方が重要です。最近世相が保守化して、道徳だのなんだの言い出すのもこれまた胡散臭い。語る資格もないやつに限って、人にはそういうことを言う。
個々が好き勝手やれる状況が一番エネルギーがあるし、回りまわって売れるんですよ。漫画、アニメのきれいな所だけすすろうったってだめですよ。
という意味でも、個々がどんどん描いてどんどん出すのがいいんじゃないかなーと思います。もっとはみ出そうぜ!
ちなみに買った本はこちらです。
スターフォース 最強の軍団、誕生!
タイトル買いした! そうですよ、子供のころから星と銀河と宇宙に弱いんですよ。今の子供もきっとそうだと思って、ハッチーのタイトルに二つ入ってるんですよ。
正確に言うとタイトル買いではなく、「スターにフォースな上に、最強軍団とか書いてある」と子供の時の気持ちを思い出して手に取って、著者紹介を見て興味が膨らみレジに持っていったのです。
ラーソン氏は出版社に長編が売れずにいたけれどキンドルで発表、ベストセラー作家になった人なのだそうです。2010年から初めて、3年で30本リリースしてるんだって。書きだめ分があったのかもしれないけど、それにしたってすごい。
やっぱりエネルギーが大切。今はそれをダイレクトに吐き出せるようになったんだから、どんどん吐き出さないと、と思ったのでした。
ちなみに中はまだ読んでないので、面白いかどうかは分かりません。面白いといいな。
贈呈式。
金曜日は第30回福島正実記念SF童話賞・第11回ジュニア冒険小説大賞贈呈式でした。
スピーチ緊張した。時間があると頭の中で何度も反すうするから、むしろとちるんじゃないかと心配になりますよね。何とかこらえました。
懇親会でもっとがつがつ行くべきだったのだろうと思うけれど、こういうところで生来の人見知りがね……。眉村卓先生に最初に御挨拶はしたのですが、せっかく今読んでいるんだから、もっとお話聞けばよかった。
日本SF作家クラブ会長の東野司先生もいらしていました。SFの話ができて嬉しかったです。子供向けの入り口になるSFは、重要だと思うんですよ。
さてこの席でも、最近気にしている、次作をどうやって出すのかということと、こちらの方のジャンルの雰囲気研究で、他の先生にお話をうかがいます。
児童文学とラノベは違うよとか、いろいろ貴重なお話を聞きました。だんだん分かってきた。
まあどっちにしろはみ出すなーとは思うんですが。はみ出すっていうか、隙間にはまるタイプなんですよね。漫画でもはまったし、こっちでもはまる気がしてきた。でも、はまると分かってあえて行くのと、知らずにはまるのは違うから。
分かってあえて行くのは個性です。南山先生も人と違うことが大事だとおっしゃっていたし。
大丈夫、ボツ怖くない! 今は個人出版があるし、行け行けどんどんで!
ということで、次作の企画を立てて編集部に送ります。勢いつけるためテンション高めでお送りしました。また来週ー!
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