先週の雑感記 縮む世界と僕の未来
新年を迎えまして、初めての雑感記。
今年は初めての児童書出版を控えているわけですけれど。
めでたいばかりではなく、環境としては厳しいんだよ、というニュースを三連発。
縮む世界。
僕の住んでる世界は、確実に縮んでいるのです。まずこちら。
新成人 最少の122万人に
1月1日の新年を20歳で迎える新成人の数は、去年と同じ122万人で、国が推計を取り始めた昭和43年以降では最も少なくなっています。
総務省は、ことし1月1日から31日までに20歳となり、1日の新年を20歳で迎える新成人の数を推計しました。
それによりますと、新成人の数は、男性が63万人、女性が59万人で、合わせて122万人となっています。
これは去年と同じ数で、推計を取り始めた昭和43年以降では最も少なくなっています。
また、日本の総人口に占める割合は0.96%で、3年続けて1%を割り込んでいます。
新成人の数は、第1次ベビーブーム世代が成人となった昭和45年の246万人が最も多く、平成に入ってからは、第2次ベビーブーム世代が成人となった平成6年の207万人をピークに減少傾向が続いています。
総務省は、「出生率の低い状況が続いていることから、新成人の数は今後も減少傾向が続くのではないか」とみています。NHK NEWSWEB 12/12/31
人口6年連続減 減少幅過去最大か
日本の人口は、去年1年間に生まれた赤ちゃんが戦後、最も少なくなったことなどから、6年連続で減少することが厚生労働省の推計で分かりました。
減少の幅は去年1年間で21万人を超え、過去最大になる見通しです。厚生労働省の推計によりますと、去年1年間に生まれた赤ちゃんは、103万3000人で、おととしよりおよそ1万8000人減少し、戦後、最も少なくなりました。
一方、亡くなった人は、東日本大震災が起きたおととしよりおよそ8000人少ないものの、戦後2番目に多い124万5000人と推計されています。
その結果、日本の人口は、6年連続で出生数が死亡数を下回る「自然減」となり、減少の幅は21万2000人と過去最大となる見通しです。
また、1人の女性が一生に産む子どもの数を表す「合計特殊出生率」は、おととしの1.39と同じ程度になる可能性が高いということです。
厚生労働省は、「今後も高齢化が進むほか、出産する年齢に当たる女性の人口が減り、生まれる赤ちゃんの増加も見込めないため、日本の人口は減少傾向が強まっていくと予想される」としています。NHK NEWSWEB 13/1/1
順調に進む少子化。
人口動態学というのがあって、その国の浮き沈みが生産人口の動きで説明できるそうなのですが。それを聞いて、じゃあ、いろんな問題の根っこはここではないかと前々から思っていて。
でもなぜか、みんなあきらめちゃってて、ブレーキかける気がないみたい。少子化対策って掛け声ばっかでポーズとってるだけだし。
例えば、日本は子供にかける予算が、先進国の中では少ない国だったり。
セックスレスの理由に仕事で疲れているからというのがあるけれども、その原因はこの国で横行するサービス残業という名の労働搾取が考えられ。そして実は日本は労働生産性が低く、要するに無駄がたくさんあるのを無給長時間労働でごまかしているので、ここを改善するのは一石二鳥なのではないかとか。
やることやれば、いろいろ上向かせることはできるのではないかと思うのですが。
団塊Jrの女性がそろそろ出産適齢期を過ぎてしまうので、手遅れっぽい。本気になるなら10年前だった。
さて、そんな時に児童書の方に行くんですよ。書くのは楽しいんだけど、図書予算も厳しいみたいだし、先行きは明るくなく。
そしてさらに。
出版売り上げ 1兆8000億円下回る見通し
ことしの国内の出版物の売り上げは去年よりおよそ600億円減る見込みで、26年ぶりに1兆8000億円を下回る見通しです。
出版業界の調査や研究を行っている東京の出版科学研究所のまとめによりますと、ことし国内で出版された書籍と雑誌の売り上げは、推定で合わせて1兆7440億円程度と、去年よりおよそ600億円減る見込みで、昭和61年以来、26年ぶりに1兆8000億円を下回る見通しです。
ピークだった平成8年の3分の2程度に縮小したことになります。
このうち、書籍の売り上げは去年よりおよそ200億円減り、25年前と同じ水準の8000億円余りになるとみられています。
また、雑誌は昭和59年以来初めて1兆円を下回った去年からさらに400億円減り、9400億円程度になるとみられています。
一方、団塊の世代の高齢化に伴って、中高年向けの市場には底堅さも見られ、中高年のファッションをテーマにした雑誌は、逆に売り上げが増加する見通しです。
出版科学研究所では、「若い人たちが雑誌を読まず、インターネットで情報を得る習慣が定着するなか、雑誌が若い読者層を新たに獲得できなくなったことで売り上げが落ちている。雑誌を読む習慣があり、人口構成の中で大きな割合を占める団塊の世代をどう取り込むかが、当面の売り上げを左右していくのではないか」としています。NHK NEWSWEB 12/12/30
出版も順調に縮んでいます。全然下げ止まらない。
こちらは、欧米では出版は伸びているとして、日本固有の問題だという指摘があるのですが。
電子書籍のニュースを追ってて感じたのは、実は日本の方が本のネットワークが濃密だということ。そして文庫など、ラインナップにバリエーションがあって、本が安く買えているということ。
つまり、電子書籍に解決を求めるとしても、実は先行する欧米よりも、購買動機が弱いかもしれないのです。もともと本が簡単に安く手に入っていた。
電子書籍目当てに電子書籍リーダーが普及するんじゃなくて、タブレットPCがお手軽で便利と普及したあと、その中の一コンテンツという立ち位置になるのかも。それより、書籍のあのサイズという先入観を取っ払って、スマホの一コンテンツなのかも。
さらにいうと、元が高密度だった分、カバーしきれるのだろうか。
こちらもどうなるんでしょうねえ。
僕の未来。
さて、そんな厳しい現状を確認して。
じゃあ座して死ぬのかと言えば、そんな気持ちはさらさらなく。
逆に、漫画とか小説とか、個人でできる仕事でよかったなと思うのです。小回りが利くから。
トライ&エラーが気軽にできる。いろいろ試せます。
僕の場合、本が出て、そこから先が重要で。
続けて出せるようにがんばるのは当然だし。
そこからさらに、出会った小学生の読者と中学生になったらさようならじゃなくて、どうやって長く付き合ってもらうか。そういうラインナップを用意できるか。
というわけで、そろそろコミティアで、楽しく変な漫画描いてるだけじゃなく、本気を出さねばならないのではないか、と最近思っているのです。一つ区切りをつけて、その次。
そしてそのために、習得しなきゃいけないスキルもいろいろあるので、そこをがんばろう。
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