狼と香辛料 ⅩⅦ Epilogue
狼と香辛料 ⅩⅦ Epilogue (支倉凍砂・著)を読みました!
本編は終了、後はエピローグ。
大ハッピーエンドでした!
そしてさらに予想外な感動もあって、大満足(^^)/
ということで以下感想。
「Epilogue 幕間」
ホロが旅先で知り合った女性たちに手紙を出して、みんなを招待。その道中の話。初対面だけど、共通の知り合いである二人の話に花が咲きます。
文体がエネクの一人称で、「我輩は犬である2」になっていました。わーい!
でもエネクが、まだ元気なんだけど自分の寿命を悟ってて、ちょっとしんみり。
エーブが思ったよりロレンスに未練があって、少し意外。でも元は乙女だからな。
「Epilogue 終幕」
というわけで、今度はロレンスたちの話です。ニョッヒラにて温泉旅館を建設中。コルはこのまま番頭さんになりそうな勢い。
そして、何でいきなりこんなに知り合った女性たちを呼ぶのかという疑問が、最後の最後に氷解。
いや、ホロの体調が悪い様子で期待していたのですが。
そりゃあ、見せびらかさないとね! これ以上は期待できない大ハッピーエンドで幕となったのでした。よかったなあ。
「行商人と鈍色の騎士」
ロレンスの持つ短刀の由来。昔出会った老騎士にもらった物。
時代が変わってしまって、もうそこにいる意味がなくなってしまった砦の主なんだけど、達観していて、でもそれでいてかすかに未練もあって。
時代が変わり、必要とされる力も変わるというのが、このシリーズのテーマの一つだったけれど、それに沿ったお話でした。
「狼と灰色の笑顔」
「喧嘩するほど仲がいい」二人を、コル視点で。喧嘩してても阿吽の呼吸。
でも、それに混じってだんだん呼吸をつかんでいるコルもいます。やっぱり番頭さんになるのかな。
「狼と白い道」
さて、これがほんとにほんとの最後の一遍。なんで書き下ろしのエピローグを最後に持ってこなかったんだろうと、読みながら思ってたのですが。
けれど、読んで納得。むしろこちらの話の方が、シリーズの最後にふさわしい終わり方でした。じんわりと胸に広がる静かで幸せでそして切ない気持ち。
ずっと作中で語られていた、幸せはいつか終わるということ、でも、その最後の時までいっしょにいたいという気持ち。
それが村の中を通る一本の道という映像で、見事に表されています。川辺から墓場までまっすぐに続く道。産湯を使う場所から、最後に土に帰る場所までの道。
旅はいつか終わるという話は、最初はヨイツまでの旅路だったのが、いまや人生の伴侶として、最後命尽きるまでということになっているわけで。人生を示す一本の道を手をつないで歩く二人の姿は、まさにこのお話のテーマそのもの。
月明かりの下、手をつないで歩く二人の姿。ほんとに素敵なラストシーンでした。
面白いお話を読むと、最後その登場人物と分かれなくてはならないのがとても切なくなりますね。
本当に素晴らしいシリーズでした。
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