今週の雑感記 新エネルギーと個人直販
先週の一番の話題は賞をいただいたことなのですが、それは昨日の記事に書いたので、今日はその他の話題。
新エネルギー。
NHK NEWS WEB バイオ燃料に新たな可能性 http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/1129.html … これすごくいいんじゃないか。きちんと採算取れる。インフラはすでにある。しかも農業林業の副産物にできる。補助金ビジネスな太陽光風力よりこれじゃない?12/11/30
僕はエネルギー問題に関して、反・反原発のスタンスです。放射能によるガンの増加よりも、エネルギーを割高にしてしまって不況を促進した時の自殺の増加の方が多いのではないかと思うからです。
かと言って原発促進かというと、放射性廃棄物の長期管理とか、廃炉のコストとか、絶対甘く見積もっているような気がして、こちらもどうもなと。
というわけで、新しいエネルギー源の研究開発に期待を寄せているのですが。
これ、すごく有望なのではないかと思います。
バイオエタノールは、要するにお酒を作るみたいに糖分を発酵させて、アルコールを作ります。原料がとうもろこしやサトウキビなので、食糧生産とバッティングしてしまうのではないかという批判があります。
ところがこの研究では、植物からならなんでもエタノールが作れます。セルロースという、植物の体を作るたんぱく質を分解してから作っているからです。雑草、木屑、稲藁など、ごみになってた物が燃料に。
この方法は以前からあったのですが、コストが問題でした。ところが記事で紹介されている研究では、これを見事にクリアしています。効率のよい酵素を発見し、プラントも小型化。採算ラインはリッター100円のところ、なんと50円!
自然エネルギーは採算取れないから補助金必須となってる中、これはむしろ売り出したら儲かるよ!
ブラジルではバイオエタノールの発電所もあるみたいだし、普及しないかな。がんばれ!
個人直販。
IT専門の個人作家Jonathan Snook氏が電子書籍の売上推移をグラフ比較「自分のサイトで直接販売したほうが儲かった」
カナダ在住の個人作家Jonathan Snook氏のブログ記事が、電子書籍の個人作家たちの話題となっている。
Snook氏の本業はWebデザイナーで、自著「Scalable and Modular Architecture for CSS」をKindleストアと自身のサイト上で昨年11月に同時発売し、売上推移を観察することを発案。当初、Kindle側の価格を安めに設定していたこともあって、Amazon上での売上収益が圧倒的に勝るだろうと考えていたSnook氏だったが、意外にも自身のサイトで直接販売していたほうが収益高が高いことを発見。さっそくグラフ化し、その経緯をブログ記事で公開した。
電子書籍の混合価格モデル、バンドリング戦略を考えるうえで、とても貴重なデータだ。hon.jp 12/11/27
北欧の出版界を席巻、個人作家・出版社が電子書籍を“直販”できる出版CMS「Publit」が英国に進出
北欧の出版界を席巻している電子書籍ベンチャーPublit社(本社:スウェーデン・ストックホルム市)が英国版サイトをオープン、ついに英語圏への参入を開始した模様。
Publit社は個人作家や出版社が自分のサイトで電子書籍を販売できるCMSサービスで、PDF原稿からEPUB形式ファイルへの変換、プリント・オン・デマンド(POD)、課金代行を行なってくれる。料率もAmazon社と比べて良心的で、電子書籍は売上の20%、POD本は10%と一律方式になっている。
スウェーデン国内ではすでにHarequin現地法人を含め300社以上の出版社が同サービスを活用して電子書籍の直販を行なっており、今回の英国版サイトに続き、ドイツへの進出も予定しているとのこと。hon.jp 12/11/29
こちらを見た僕の感想。
個人直販という究極の形ができたら、一方で出版社は、人と人をつないでコラボレーションで作品の価値を高める力が売りになるのだろう。 12/11/30
僕が個人出版に関心があるのは、昨日も書いたとおり、自分の好みが主流じゃないという自覚があるからで。
でも、作家個人で出すことができれば、採算ラインは究極に下がるから、主流から外れても成り立つ可能性がある。それを期待していたのです。
ということで、日本はようやくキンドルがやってきたところですが、アマゾン以後にも関心が。自分のサイトで直販が究極ですよね。料率がアマゾンより良心的というところも素敵。
さて、じゃあ出版社が全滅すると思っているかというと、そうでもなくて。
出版社じゃなきゃできない仕事もあると思うのです。
今回で言ったら、挿絵を画家さんに頼むわけですが。
最初、漫画絵で描くなら自分で描けますと言ったけれど、提案された画家さんのお仕事を見たら、明らかにレベルが違いました(笑)。餅は餅屋だよ!
でもこれ、間に出版社が入るからできることで。例えばパブーに出してるやつに挿絵つけてくださいって、僕みたいなど新人が有名画家さんに連絡つけても、誰? という話になるだけで。
そういう人と人をつなげる仕事は出版社ならではですよね。
さらには、出版社を通すから、全国の子供と出会えると期待できる。営業力が全然違う。
とにかく何でも試せる個人出版、つなげて広める力のある商業出版と、長所が補い合うようになれば、もっと豊かな世界が来るんじゃないかなあと思っているのです。
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コメント
リンク先のエタノール工場の記事、読みました。
直接的に除染に使われていましたが、エネルギー利用も
良いですね。火力発電に切り替えたら、一気に貿易赤字
なんて、原油高すぎです。円高なのに。
電子の 個人出版と大手出版社についてのコメント、いつも興味深く読んでいます。
リアルの個人出版、コミケはどう思ってらっしゃいますか?
遅くなりましたが、大賞受賞おめでとうございます。
投稿: サツキ | 2012/12/10 00:24
ありがとうございます(^^)/
同人誌についてですが「描くだけならできるけど、流通経路がまったく別物になってしまうので、別の土俵」という感覚でした。
なのでキンドルの個人出版がアメリカではやりだした時、「同じ土俵で勝負になってる!」と思ったのです。
さらにニュースを追っていると、上の記事のように、大きなプラットフォームから作家個人のサイトに販売拠点が移っていく気配もあるので、もしそうなった時には、紙の本でも完全に垣根がなくなるのかなと思います。
投稿: かわせ | 2012/12/10 20:15