狼と香辛料 ⅩⅡ
狼と香辛料 ⅩⅡ (支倉凍砂・著)を読みました!
このシリーズは全17巻だけど、ここから短編集が二冊入ってるから、エピソード的にはもうそんなにない。終わりを意識し始めましたよ。
味わいつくさないと!
ホロの故郷ヨイツを訪ねるには地図が必要だと、北の地方に詳しい人を探して、つてをたどって出会ったのが銀細工職人フラン・ヴォネリ。
偏屈で頑固と評判。この地方ではない異国の風貌。出自が分からず謎めいた過去。
そんな登場の仕方で、最初は人を寄せ付けない感じなんだけど、ところが実は一途な娘さん。
第一印象を堅くしといて実は、という演出は、キャラクターに深みを与えます。ずっと印象深くなる。実際過去に何があったか、事細かには描かずに、フランの様子から想像させるのも、心憎い。
フランのこの先の人生が、心安らかなものになるといいなあ。
さて、このシリーズは、背景に教会と異教という構図があったわけですが。
教会の力が弱まってきていて、信仰よりも金だ、という話になってきています。
もともと商売がテーマの一つだったわけで、エピソードとしては、行商人の現場のやり取りが、町商人のスケールの大きな商いになり、そして信仰をも飲み込んでいく形。
これがラストに向けてどう作用していくのか。楽しみです。
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