2012年のかわせひろし
年末なので恒例の今年の総括。
今年は波乱の年でした。
3月がどん底。打ち合わせで、単なるボツどころか「もう来なくていい」宣言されたし。仕事も首になったし。
漫画業界にはもう居場所がないんだなあという気分になりました。
そしたら年の瀬も迫るころ、小説で賞が取れて、本が出ることも決まり。
新たな展開に。こっちが居場所になるといいなー。
でも、やってることはずっと一緒なんですよね。自分が一番面白いと信じられる物語を描ける場所を探して、旅してるのです。
それがどういう形をしているのか、若いころには自分でもよく見えてなかったけど、それでもその感覚はずっとあったんだと思います。
最初は週刊誌にも持ち込みに行ったけど、ナベ先生の仕事見てたら、まとまって長く描ける方が面白そうだと月刊誌の方へ。この時からじっくり志向はあったみたい。
ネームがなかなか通らなくて、担当さんが「これを参考にしなさい」と、とあるライトノベルを貸してくれたけど「何これ、行き当たりばったりじゃん」と放り投げたこともあった。たぶん話に華がないから、これぐらい詰め込めと言いたかったんだと思うんだけど。
詰め込んだら面白くなるという気がしなかったから、言うこと聞かない。そんな調子だから、そりゃ通らない(^^;;)
だんだん描きたいものを最短距離で描けるようになってきて、ようやく連載勝ち取った「ケッタ・ゴール!」。でも打ち切り。アンケート取るためには、伏線張る回をこんなに長く取ったらだめだと思い知ったんだけど。
それで、はしょった話を描くようになるかといえば、そうではなくて。
要は一回あたり二十数ページのばら売りをしているからいけないんだ、書下ろしなら違うペースのはずだ、漫画ではそういうシステムのところはないから小説だと、とうとう漫画であることもやめて。
そして今に至るのです。
いや、漫画という表現形式でも描けると思います。日本の漫画商業出版が、それに不向きなシステムになってるだけで。
というか、小説も書いてみて、これは漫画の方が表現しやすいなということもたくさんありました。なので、漫画もかってに描くと思います。
小説家に転身したつもりもないのです。こだわっているのは描きたいものであって、もう表現形式はどうでもいい。必要な技術なら、勉強すれば身につけられる。
漫画のデビューまでに5年。小説も5年ちょっとぐらい。他に何か必要になったら、また5年ほどがんばればいい。
というか、次の5年は何の技術を身につけるか、最近真面目に考えているぐらいですよ。環境変わってきてるから、準備しといた方がいいと思うんだ。
とにかく一番面白いと思うものを描き切ったと、自分で確信できる、そういう物語作りをしたいのです。
さあ、来年はせっかくのチャンスを次につなげないと。
それでは皆様、よいお年を。
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