狼と香辛料 Ⅶ
狼と香辛料 Ⅶ (支倉凍砂・著)を読みました!
短編、中編の読み切りです。大きな筋はないのですが、このシリーズはキャラクターのかけあいが魅力の一つなので、そこがたっぷり書かれています。楽しく読めました。
以下に感想。
「少年と少女と白い花」
中編の作品。お屋敷を追い出された世間知らずの少年少女をホロが助けて、そのまま旅する話。
本編でも、新しいキャラクターのコルを可愛がるホロがいましたが。
こちらも二人の世話を焼きます。からかいながらも優しく見守る、お姉さんな魅力。
そこがあったかい感じで、かなり好き(^^)/
「林檎の赤、空の青」
短編。港町パッツィオでの買い物風景。
商売の仕組みと、二人のかけあいという、このシリーズの基本構造をそのまま短くまとめた形。
そして安定した面白さ。最初の林檎のやり取りから楽しい。これが武器だよなあと思います。
「狼と琥珀色の憂鬱」
書き下ろし短編。いつもはロレンス視点だけど、このお話はホロ視点。
いつも悠然と構えているように見えるホロの胸のうちが、けっこうめまぐるしく移り変わっているのが楽しい。
このお話の後の本編で、ホロは楽しい思い出だけを抱えていられるうちに旅を終わらせようと言い出すのですが。
これを読むと、なるほど、こういう風に感じていたのなら、この楽しさを失ってしまうことを恐れるのも無理ないかなあと思いました。
武器といえばこの作品は、とにかく駆け引きがひたすら書かれているわけです。これは漫画ではモノローグが増えて描きづらい、小説向きの武器。
対して気持ちは表情や雰囲気をダイレクトに伝えられる分漫画の方が得意だと思うんだけど、そっち方面も、こうやって気持ちの駆け引きという形でたっぷり書いて引き込んでいる。ほんと面白い。
さて、楽しく外伝を読んだところで、次は本編。チラッと読んだけど面白そう。どうなるのかなー。
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