先週一週間 言い値モデルとiPS騒動
土曜日の夜、仕事終えた足で友達の漫画の相談に。
近所のファミレスでご飯食べながらだったのですが、そこはよく漫画家さんが来る場所で、この日もネーム切ってる人がいました。
そんな場所で僕は普段着ではなく仕事帰りのYシャツ姿。それで長々とネームを見ながらあーでもこーでもと語り合ってたので、「絶対漫画家と編集の打ち合わせに見えたはず」と、友達は笑っていました。
しかし僕は編集ではなく、描く方なのですよ(笑)。と言うことで先週の進行状況は。
おなかの底がそわそわするのは、また先が決まってない状態になっているからだろう。どれから手をつけるべきなのか。
そわそわするからサッカー見ながら片付けでもしようと、机周りを整理していたら、前に残しておいた資料が見つかって、おお、これをやればいいんじゃないかと一件落着。
そうなると教養としてお勉強しとかなきゃいけない物があるなと、それっぽいのをチェック。いつもの興味のままに作って通るパターンは二つぐらいで、これはその場所じゃないから。
お話作ったら、それを読者に届けねばならず、そのためにはまず振り向いて手に取ってもらわなければならず。面白そうだという判断に過去の経験が反映される 以上、型を無視しちゃうと苦しい。特にこれからの時代はそうだと思う。とにかく物がたくさんあるので、ぱっと伝わる部分を意識して作らないと。
でもそれが、模範解答コピペしました、という物にならないように魂吹き込んでやることも重要。じゃないと消費されてお終い。さて何書くかな。12/10/8
ふわふわしてたのはスケジュール的に動きづらかったから。いい具合のところに目標とする締め切りがなかったので。
締め切り作ってやらないと、まっすぐ走らない困った体質なのです(^^;;)
何を書くか考えていたけれど、最初にぱっと考えたコンセプトは、どうもいつもの袋小路にはまりそうだったので、路線変更。
型の話は、文章にしちゃうと、プロなら普通に意識しているところでいまさら君は何言ってるの、という感じになっちゃうのですが。
物事というのは右か左かではなくて、そこをぐるぐる螺旋を描いて、上のレベルに上がっていくものだと思うので。
型通りでは個性がなくて消費される商品になり、でも個性にこだわれば食いつきづらい物になり、という二律背反を上に抜け出す。武道で言えば、型より入りて型より出、そしてまた型に戻る。でもその時にはまったく別のものが見えている。その感覚をつかめるか。
土曜日、友達と話してる時にも、この話題が出ました。ここが壁だと思うので、何とか乗り越えたいですねー。
言い値モデル。
個人作家は注目、ポストAmazon・Apple時代の最有力候補「言い値で買っていいよ」電子書籍販売モデル
ここ数ヶ月、Apple社やAmazon社のタブレット合戦が電子書籍業界を賑わせているなか、米国の一部関係者の間で“ポストApple・Amazon時代”の最有力候補としてPay-what-you-want(言い値で買っていいよ)電子書籍販売モデルへの注目度が急上昇している。
今年に入り、米国ではさまざまな小売業界でこの“言い値”販売モデルを使ったベンチャーが登場している。電子書籍業界に絞れば、たとえば米paidContent.orgサイトでも昨日、この“言い値”販売モデルに着目した新興ベンチャーHumble Bundle社(本社:米国カリフォルニア州)とStoryBundle社(同)のサービス開始を紹介している。
“言い値”販売モデルは、一般常識からすると赤字必至のビジネスモデルだと思われるが、実際には売り手が、ある一定の制限条件さえ設ければ、価格交渉権を放棄することで均衡価格の混合状態(もしくは確率的プリズム効果)を引き起こし、利益率が高くなるという報告も出始めている。
個人作家にとっては、エンドレスな価格競争から解放されるという他のコストメリットもあるので、Gumroad等で試してみると面白いかもしれない。
hon.jp 12/10/10
ちょいと前に、言い値モデルのカフェの記事を読んだのです。貧しい人にも食事を提供するために、希望価格は表示されているけど、払える分だけ払ってくださいという仕組み。
そうすると、払わない人がいる反面、趣旨に賛同して多めに払ってくれる人もいて、上手い具合に回ってるそうで。
なるほど、それもありなのかもしれないと思ったのですが。ただ、ちょっと気になるのはこちら。
「目」のポスターは効果的:調査結果
「こちらを見つめる目」の絵を掲示するだけで、人々に行儀よくふるまわせたり、正しい行動をとらせたりする効果があるという研究結果が発表された。
Mark Brown
「こちらを見つめる目」の絵を掲示するだけで、人々に行儀よくふるまわせたり、正しい行動をとらせたりする効果があるという研究結果が発表された[発表論文は2010年12月付けの『American journal Evolution and Human Behavior』]。
英国ニューカッスル大学の心理学者たちが、2種類の異なるポスターをレストランに掲示して、客がどのように反応するかを調査した。どちらのポスターにも、ごみは利用者自身がごみ箱に捨てるように求める文章が書かれているが、一方には花、もう一方にはこちらを見つめる2つの瞳が使われている。
ニューカッスル大学の行動と進化センター(Centre for Behaviour and Evolution)に所属するMelissa Bateson博士とDaniel Nettle博士が率いる研究チームによると、掲示に目を留めて、食事の後片付けをした客の数は、こちらを見つめる瞳を見たときの方が倍増した。瞳に見つめられたときは、前日に掲示された花のポスターと比べて2倍の客が指示に従ったのだ。
今回の調査は、2006年に行なわれた調査の続きとして行なわれたものだ。2006年の調査では、共同で利用される無人ティールームの料金箱の横に、同様のポスターを掲示して行なわれた。瞳に見つめられたときの被験者は、花を見たときの3倍の現金を支払うことがわかった。
Bateson博士は、「監視カメラのサインが、こちらを見つめる目の画像だったとしたら、さらに効果があるかもしれない」と述べている。
WIRED.jp 11/5/31
人目というのは、人の行動を規制している。カフェの場合は人の目前で行うわけで、特に貧しくもないのに「ただでもいいんだって、ひゃっほう!」と大手を振って素通りするのははばかられる。
ネットでさえ、実名のフェイスブックと仮名ありのツイッターでは、場の雰囲気が違いますもんね。最近連携切りましたよ。発言が場にそぐわないので。
そういう「人目」の設計しないと上手く行かないんじゃないかとも思うので、言い値モデルの先行きがどうなのかは気になります。
向こうではクラウドファンディングが軌道に乗ってるみたいなので、それとの組み合わせなのかな?
iPS騒動。
洗濯中。昨日山中さんがノーベル賞受賞して、ニュースがいっぱい流れてる。これで予算も増えるかな。マラソンしなくても大丈夫になるだろか。12/10/9
山中さんにノーベル賞、めでたい(^^)/ ノーベル賞は、「受賞資格はまず長生きすること」と言われるほど過去の業績に対して出ることが多いんだけど、今まさに最先端でバリバリ働いている状態で出たのも、昔ではなく今の日本がほめられたみたいで嬉しい。
しかも、日本は研究にお金を出さない国で、科学の恩恵をこれだけ受けていながら軽視。特に政治はひどくて、科学的には無意味ないらない除染の予算をひねり出すために、科学予算は減らす有様。
まあ、はやぶさの時にも手の平返ししてたから、iPSはこれで一時は好転するだろう。よかったよかった。
そうほくほくしていたら。
何か別の展開が。
iPS移植 米大学など“在籍や研究申請なし” NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121012/t10015693791000.html … 何でこんなすぐばれる嘘を?12/10/12
朝日新聞デジタル:「iPS臨床」の森口氏、資格は看護師 職を転々 - 社会 http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY201210120674.html … 若手研究者の不遇という状況があるんだけど、そういうところから嘘つくようになったのかなあ。12/10/13
iPS虚言の件、病気で治療法を待っててぬか喜びさせられた人はいるだろうけど、実害はない。それよりいくつかのマスコミの取材力がこの程度だったこと、もしくはスクープ重視で裏取り取材が軽視されていることの方が大問題。いろんな事態がこれによって悪化していると思う。12/10/14
iPSで臨床例がという見出しを見かけて、リンク先に飛んだら、違う記事になってたのです。はて何事と思ってたら誤報。で、大騒ぎになってるんですけど。
正直、森口氏には虚言癖のある人なんだなあとしか思わなくて。別に実害受けたわけではないので、それで終わり。
むしろ気になるのは他のこと。まず記事の中で、安アパートに住みながら、大家さんにまで「教授になりました」と嘘をついていたと。
日本の若手研究者はワーキングプアに追い込まれていると聞きます。次世代に投資しない国は滅ぶよなあと前から気になってるのです。なんか、嘘の方向が、そういう苦しい中で自分の自我を守るための物に見えて。
嘘ついてない他の人は、もっと苦しいんですよ。何とか改善されてほしい。
その後マスコミがつるし上げてるんだけど、つるし上げるのは、前述の通り「嘘つき」で終わりだと思ってるので、正義だと思わない。それよりマスコミは自省が足りないんじゃないかと。
この程度の嘘に引っかかるなんて、世の中に流すべき情報を取捨選択することで価値を生んでいるはずのメディアとしては大問題なはずです。身元確認さえ怠ったわけで。これ普段からそうなのかなと、不信感が増します。
ペンは剣よりも強しと言えるのは、それが磨かれていて切れ味がいい時だけです。そしてそもそもそんな言葉があるのは、しっかりしたジャーナリズムには世の中を変える力があるからです。
なまくらでは困るのです。しっかりしてほしいなと思います。
ちなみに、企画を考えている間も手は鈍らせないようにしようと、同人誌の原稿を少しずつ描いているのですが、それがたまたま博士とケンちゃんのiPSネタなのでした。iPSづいていた一週間。
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