源氏 物の怪語り
源氏 物の怪語り 渡瀬草一郎
時は平安。帝の寵愛を受ける中宮彰子に仕える女房、藤式部。当代随一の流行作家である彼女は、人に言えない秘密を持っていた。愛娘の賢子に時おり、亡くなった姉がとり憑くのだ。
物の怪が跋扈する時代、藤式部の周りに不思議な事件が起こる。同僚に憑いた物の怪を、姉の力を借りて退治しようとするが……。
藤式部の書いている人気小説の主人公の名は、光源氏。そう、主人公は紫式部なのです。そう呼ばれるようになるエピソードも作中に。
この時代の女性は本名をあまり明らかにしてないそうです。そのため通称で呼ばれていて、式部省の藤原さんの娘なので、藤式部。そうなのかー。
渡瀬先生はデビュー作が「陰陽の京」で、やはり平安時代。これより何十年か前の話。その登場人物の名前もちらりと出てきます。「陰陽の京」の続きも楽しみにしてるのです。
得意なフィールドなんだろうなあ、平安時代。そういうところで書かれた物語は、世界観が緻密で面白い。
藤式部と姉の関係がよかったです。渡瀬先生はキャラに注ぐ眼差しが優しくて、そこが好き。
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コメント
これだけ内容を書くならネタバレ注意と一言入れてください。
ブログされて長いですよね。
投稿: サー | 2012/05/27 11:20