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2012/01/13

孤笛のかなた

孤笛のかなた 上橋菜穂子

村の外れ、夜名ノ森の端に祖母と二人で暮らしている少女、小夜(さや)は、人の心の声が聞こえる力を持っていた。実は本人も知らされていないが、呪者の力を亡くなった母から継いでいたのだ。

ある日、小夜は傷ついた小さな子狐を助けた。犬に追われるその子狐を抱えて逃げ込んだのは、里人の出入りが禁止されている森陰屋敷。そこに住む男の子に助けられ……。

まず最初に。面白かったです。

通勤電車で読み始めたら、危うく乗り過ごしそうになり、その日が仕事最終日で疲れてたので帰ったらもう寝たいとこだったけれど、最後まで一気に読まなくちゃと読破。

ぱっと最初にキャラ立って、ぐいぐい引っ張られていく。とてもよかったです。

初版発行日を見てみると、上橋先生はこの時期、平行して作品書いているんですね。守り人シリーズが1999年にスタートし、神の守り人が2003年。この本が2003年の11月。守り人シリーズは短編集も含めると2008年まで続き、獣の奏者はその間の2006年11月に最初の一、二巻。

というわけでこの本は、書き出した順で言うと、守り人のあと、獣の奏者の前に位置づけられ。

特定の友達にアピールしますが(笑)、エリンとイアルがいますよ。これ読んだ?

生い立ちのためちょっと世間から疎外され、寂しさを背負う少女。人を思いやる優しさがあって、手に余ることでもほっとけない。それを陰からそっと見守り、助けてくれる寡黙な少年。でも彼の生い立ちも過酷。そんな二人が寄り添って……。

あれ、この構図はと、読んでる途中に思いました。むしろこっちが先。なるほど、キャラ立ちがすぱっと早かったけど、上橋先生の持ちキャラなんだなと。

作家に持ちキャラがいるのは、自然なことです。神様じゃないから、どうしたって、キャラクターには自分が反映されます。自分の性格に似てくることもあるし、逆に憧れのキャラクターになることもあるし。

手塚治虫先生なんて、開き直って自分でスターシステムと名付けて、いろんな漫画に同じキャラ出してますからね。

特に何も考えてないのにすいすい動かしやすいキャラクターが生まれたら、それが持ちキャラ。本質のところでしっかりつかめていて、理解できている。

そういう部分も作家の個性を作っていくんだと思います。

持ちキャラによって語られるこの物語は、一巻完結だけど、それだけに上橋先生の個性がぎゅっと凝縮されて発揮されているような気がします。ほんと面白かったです。おすすめ。

ああでもこれで既刊全部追いついちゃったよ。新作はいつだろう。

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