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2012/01/15

今週の雑感記 面白いものを見つける仕組み

今週からアシスタントお仕事。

電車で毎朝通勤する仕事をあまりしたことがなく、ずっと通勤となると、学生以来の出来事ではないかと思います。

週区切りの仕事なので、時間の使い方も難しい。オフでぼんやりしてたら、すぐもう次。自分のを進める時間をどう作るのか。

ただ電車の中で本読むと、毎日往復一時間ちょっとあるわけで、読書はすごく進みます。

こういうときにケータイ持ってて電子書籍だと、荷物にならなくていいという話ですね(←まだ持ってない ^^;;)

さて今週のお題は、友達と話してたCGMの話。

CGMとは、消費者生成メディア Consumer Generated Media の略。使う人が書き込んだりアップロードしたりしてできてるメディアのこと。

その友達は、そういうメディアの一つ、ニコニコ動画が好きでよく見ているのですが、最近見る物がないと嘆いていたのです。

聞けば、多分探せば面白いのがあるんだろうけれど、ランキングが当てにならなくなってしまって、たどり着けないと。

そんな話をよそでも聞いたので、なるほど、今ニコ動は過渡期なんだなと思いました。

面白いということはどういうことか、日々頭を悩ませているわけですが。

その中で出た答として、「それは人による」ということがあります。

興味とか考え方とか性格とか、人によって千差万別なので、面白さのツボも人によって違うのです。だから個人個人で見た時には、売れている=面白いとは限らない。何でこれ売れているんだろうと首を捻ることってありますよね?

逆に、あんまり話題になっていないけどすんごい面白いって思うこともあり。

そこで、視聴率とかアンケートとか、人気ランキングを取っていくと、その数字は、そこにいる一番平均的な人が感じる面白いものを示していきます。ぴったりどんぴしゃ平均な人はなかなかいないから、個々人の実感とは元々ちょっとずれている。

小さい特定のクラスターが喜んでいるうちは、そのずれは小さいけれど、集団がどんどん大きくなるにつれ、ずれも大きくなる。特に最初のクラスターの人たちにとっては、あれっ、変わってきちゃった、何で? ということになりがち。

ここで、ランキング以外の手段がないと、例えば視聴率主義に陥ったテレビが、データで実証された一番面白いものを中心に編成しているはずなのに、なぜか視聴者が減っていってしまうという事態になるわけです。

あまりニコ動見てない僕がこの話題に興味を持ったのは、これがいろんな所で起きてるよなあと思うから。

もしそのジャンルを目いっぱい大きくしようと思ったら、どんな人でも楽しめるように品揃えを豊富にしなくちゃいけない。でもそれじゃ探すのは大変だから、簡単に好きなのが見つかるようにしないといけない。

ランキングだけではそれは無理なので、さあどうなってくのかなと。

ということで、僕の身近な出版での話。

昨年末の雑感記でも取り上げていたように、アメリカではキンドルによる個人出版が成功しています。これもCGMの一種です。

出版社に送られた作品を編集者がピックアップする従来の方式では、取りこぼしも起きていて、それがキンドル個人出版で埋められて成功した形。

だから上記の、品揃えを豊富にしていろんな人のニーズに応えられるようにし、ジャンルを大きくするという点で、個人出版ができるようになったということは、とてもいいことだと思うのですが。

たくさんあふれかえったら、今度はどう探せばいいのか。

実は人間は選択肢が多くなりすぎると思考停止して選べなくなる、という実験結果もあるのです。二桁行ったらもう「きちんと比較して詳細に検討」はできないらしいですよ。

紙本では例えば漫画だったら、雑誌が好きなものを見つけるための装置として働いていました。新人賞とか企画会議とかで編集さんが選んでクオリティを担保していて、その二十何本とかの連載作品の中で読者は自分好みの作品を探せばよかった。

ぱっと見でいくつか好きそうなのを選んで読んでいても、パッケージでずっと売ってるから、暇をもてあました時とかに、他のも試し読みすることも起きる。

新連載も載っても数本だから、ちょっと読んで選ぶのは簡単。

対して雑誌みたいな装置を通さない書下ろしの多い書籍では、好きなものを探せないという問題はすでに出ていました。日本は世界的に見ても出版点数が多く、本屋に本があふれかえっています。

そのためか、ランキング上位に売り上げが集中する現象が起きています。もう選べないので、「売れてます!」を頼りにみんな買ってる。

最近では雑誌が売れていないので、選ぶ装置があるはずだった漫画もそうなっている傾向。

そこでさらにコンテンツがどさっと増えたら、どうなるのでしょう。「よく分かんないから適当に眺めてみたけど、あんまり面白いのないね」となって、お客さんがいなくなっちゃうのが一番怖い。

キンドル個人出版の成功例では、「有名書評サイトに依頼する」というプロモーションをしていたパターンが見られました。

ただ、使う側からすると、食べログのステルスマーケティング問題(お客さんが飲食店の評価を投稿するサイトで、飲食店がサクラを雇っていた)のように、ネット上で信用できる情報源を探すのも大変です。食べログもCGMの例ですね。

信用できる個人ということで、知り合いの口コミとか、情報を仕分けるキュレーターとか、いろいろ言われているようですが、無償で払える労力には限界があり、その辺どうなっていくのか。

商業作品をどう描くべきかについては、僕の中では整理出来ていて、あとは腕の問題。個人出版がどうなるのかなと思ってたのも、どうやら需要はあるようで、これもあとは僕が面白く描けるかどうかの腕の問題。これは常に考えている日常の事。

というわけで、今の興味の最前線は、作った物をこれが好みの欲しがってくれる人に届けるにはどうしたらいいのだろう、どうやって情報が流れていくのだろうという、この辺のマッチングの問題なのです。

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