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2011/11/29

先週の雑感記 コピーのコピーのコピー

コミティア用のネームは何人かにチェックを受けて、GOサイン。

あとはシナリオもう一本書いて、ケッタ・ゴール!のネームを進め。

何かお金にならないことばかりしているな(笑)。

そんな週には、考えさせられるこんな話題。

「今のアニメはコピーのコピーのコピー」「表現といえない」 押井守監督発言にネットで納得と逆ギレ (1/2) : J-CASTニュース http://www.j-cast.com/2011/11/221139… 別に今だけの話じゃなくて、商売するっていうことはそういうものなんだと思う。

以前僕が生まれたころの少年サンデーを古本屋で見つけたのだけれど、川崎のぼる先生が「何人も」いた。手塚先生のどろろが浮いてた。時流に乗った方がハードルが低く、でもそこ止まりだと長くは持たないということ。

作家性を感じさせるところまで行かないと、実は商品としても魅力的ではないということでもある。難しいよね。

どちらの言い分も分かるなあと。

作り手の側からすると、同じようなものを作ってると、チャレンジしないのかという気分になるんですよね。チャレンジしないと新しい地平は来ないぞと。

でも、流行があるのは、それが好きな人がたくさんいるからで、そこを違うと言われればいやな気分になるお客さんがいるのも当然。

作る方も生活があるわけで、チャレンジ、チャレンジと、堅実さ無視してたら干上がっちゃう。

けれど堅く行き過ぎると、バリエーションがなくなって、品揃えの悪いスーパーみたいな状態になって、逆にお客さん減るかもしれない。この場合の品揃えの悪さは、牛肉と豚肉だったら豚の方が売れるから、牛は仕入れないようにしようというレベルだから。

現状は、同じのばかりという不満を言う人もいるわけだから、そろそろバランス考えて、チャレンジしなければいけない時期かもしれない。

ただ、最近はネットに好きなようにみんなが感想書きこめる分、チャレンジしてずっこけてしまった作品には風当たりが強く、手堅くそつなくこなした方が無風で、それが作り手の心理的なハードルになっている可能性もある。

……というようにですね、この問題は考え始めると右に左に話が振れてって、なかなか結論が出ないのです。

そんな時に、買いそびれていたこちらを買って読みました。

愛…しりそめし頃に… 9 10 藤子不二雄A

テラさんがそろそろやばいことに!

ご存じない方に説明しますと、この漫画は藤子不二雄A先生の自伝的漫画、「まんが道」の続編に当たる作品です。

トキワ荘の兄貴分だったテラさん、寺田ヒロオ先生は、人気漫画を描いていたのに漫画の変遷を嘆いて筆を折ってしまうのですが、その展開になってきた巻。この間雑誌で見たら、テラさん辞める回だった。

ちょうどここでも、商業主義と作家性の話になってるんですよねえ。

テラさん「おたくたちもわかっていると思うけど、近頃の少年誌の漫画は…見るにたえない作品が多い!」

「西部劇、探偵もの、未来もの、時代劇、ほとんどの漫画の主人公が銃を撃ち、刀を振り回している!」

「読者である子供たちをひきつけるために、ハデなアクションシーンを描くことはわかるが、終始アクションで終わっている! これが子供たちに夢を与える漫画といえるだろうか!?」

(場面変わって)

満賀「いや~、驚いたねえ。テラさんがあんなマジで漫画批判をするなんて!」

才野「確かにテラさんのいう通り、今の少年漫画はドンパチが多いからなあ」

赤塚「しかし、テラさんのいう良い漫画が子供たちにとって面白い漫画となるかどうか?」

石森「そうなんだ! テラさんのいうことは正しいけど、理想論すぎるよ」「いくら良い漫画描いても、人気がなかったら切られてしまうからなあ」

才野「うん」

満賀「難しいところだよなあ。テラさんのいう子供にとってためになる漫画と、読者にとって面白い漫画を両立させることは…」「読者の興味を引くためには、どうしてもはでなシーンが必要になるよね!」

才野「絵としても動きのない地味な漫画は、その陰に隠れてしまう」「ぼくなんかはでなアクションものを描けないから、つらいとこだよ」

赤塚「いや~、才野氏はその点すごくいい線をいってるよ」

石森「ああ、才野氏はいいよ!」

才野「いや~、ぼくは主な舞台が学習誌なので、まだ好きなものを描かせてもらえるからいいんだけど…」

石森「そうか! 少年誌だったらなかなかそうはいかないよなあ」

『その夜、四人の漫画論はどうどう巡りで結論が出なかった…』『話せば話すほど、子供たちにためになる漫画と、人気の出る漫画とを両立させることはとても難しい…ということを思いしらされるばかりだった!』

9巻p64~p68

ちなみに満賀がA先生で、才野がF先生。漫画内では別名になっています。石ノ森先生は改名前。

テラさんは、「漫画少年」という雑誌の創刊の言葉、「漫画は子供の心を明るくする。漫画は子供の心を楽しくする。だから子供はなにより漫画が好きだ! 『漫画少年』はそんな子供の心を明るく楽しくする本である!!」に心打たれ、漫画を描いているので、「今」の漫画が許せないのです。

テラさんの許せなかったその「今」の後の漫画で僕は育ったので、さすがに行き過ぎかなーと思うわけですが。

だって売れるんだからしょうがない、という構造が、もう50年前から。すごい既視感。

ただ、アクション描けないからつらいと言っている才野氏(F先生)が、このあとそういうアクションなしでものすごい大ヒットを飛ばしまくるわけで、独自の個性を確立して「売れるからしょうがない」というレベルを飛び出していく点は示唆に富むなあと。

トキワ荘の先生たちも、最初は手塚漫画のコピーの部分があって、絵柄も可愛い絵なんですが、どんどん個性を確立していって、まったく別物になるんですよね。

さらにこの巻にはさいとう・たかを先生が出てきて、「手塚先生のあとを追っていったのでは先生を超えることができん!」と言ってたり。

そう考えると、僕の意見としては、やっぱり手堅さはほどほどにして、最終的には個性を出してかないといけないんじゃないかなーと思うわけですよ。

さてそんな話を踏まえて。

自分を省みますと。

個性を出すとして、絵柄を考えたら、可愛くて楽しい話。ただ、自分がいつも考えてることを反映させるから、濃い科学ネタで、ちょいブラックな味付けに。

そんなふうに考えた漫画の、ネームチェックをみんなに頼んだのですが。

変な漫画なので、ナベ先生が、「これに何言えっていうの?」と苦笑いしてた。

何かどんどん自由に開放された気分になっています。

開放されてて、手堅さほどほどどころか、さっぱりないです。

まあ、この漫画はこの調子で。どこまで行けるか、行った先の風景を見てみたい。

ただ、お話を作ることは仕事にしたいので。

そっちには堅実さも必要だよねと、次はそちらの作業開始。

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