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2011/11/11

流れ行く者

流れ行く者 上橋菜穂子

この夏亡くなった風来坊のオンザが、山犬に取り憑いて化けて出たという話が村に広まった。きちんと弔わなかったので恨んでいるのだと人々は口にしたが、「髭のおんちゃん」と慕っていたタンダには信じられない。

そんなに気になるなら確かめてみればとバルサに言われ、二人は連れ立って、山犬が出たという木のもとへと向かったが……。

守り人シリーズの外伝。ちなみに子供のころの話です。大人になった二人の年の差は、本編では気にならなかったけれど、子供のころだと大きいです。明らかにバルサがお姉さん。

タンダは子供のころから不思議な物が見える体質。生き物全てに優しい、素直ないい子です。

バルサは子供のころの方がとんがっていて、追われる生活が影響してたんだなあと感じさせます。ほんとは優しいところがある子なのに、精一杯強くあろうとして生きている。養父のジグロも、少しそれを気にしているふう。

大人のバルサがずっと丸くなっているのは、タンダがいつも待ってたからかなあ。

過酷な旅から帰ってきたバルサを、タンダが迎えるラストシーンを読んで、そう思いました。

文章の背後に、書かれていないことがたくさん隠れていて、じわりとしみこんでくるような読み応え。面白かったです。

ああでもこれで全部読んじゃったー。ちょっと寂しい。

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コメント

ガイドブック「守り人のすべて」に夫婦になったバルサとタンダの短いお話が載ってるのは読んだ?

投稿: まきまき | 2011/11/11 23:32

おう! それは知らなかった! ありがとう!
バルサの食卓って本もあるね。これは……?

投稿: かわせ | 2011/11/12 04:03

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